
西條 玲奈
サイジョウ レイナ (Reina Saijo)
更新日: 02/21
基本情報
- 所属
- 大阪大学 文学研究科文化形態論専攻哲学哲学史 助教
- 学位
-
博士(文学)(北海道大学)
- 連絡先
- saijo.reina
let.osaka-u.ac.jp
- 研究者番号
- 10768500
- J-GLOBAL ID
- 201201069497219373
【1】芸術作品の社会的存在論
芸術作品とそれに関連する社会制度や、それらを支える形而上学的概念について哲学的研究をしています。
たとえば、『ハムレット』は様々な劇場、俳優、演出家によって、多く言語で上演されてきました。これらの上演を同じ『ハムレット』たらしめる作品それ自体は存在するのか。この問いに対して、「存在するのは、実際に上演されている舞台の出来事だけである」という立場を私は擁護しています。
この背景には、抽象的対象に対する唯名論の立場があります。唯名論という名前は、中世の普遍論争に由来するものです。たとえば、私という人間が存在する、(おそらく)人間であるあなたも存在している。それでは、私やあなたが共有し、人間たらしめる<人間そのもの>、すなわち人間の普遍者は存在しているのか、という問題を論じて来たのが普遍論争です。唯名論とは、この問いに対して、「人間そのもの」は存在しない、と答える立場を指すものです。特に、私はデイヴィット・ルイスの唯名論的な性質の形而上学をヒントとして研究を続けています。彼の理論には、抽象的対象への関与を慎重に回避しつつも、「同じ性質をもつものは互いに類似し、同じ効果を引き起こす」という点を確保できるという利点があるからです。
最近の関心は、ある上演が特定の作品のものだとみとめられるための要件として、観客、批評家,ファンといった作品の受容者が果たす役割です。芸術を社会制度の一つとみなす、ジョージ・ディッキーの大きな枠組みに共感しつつ、あまりつぶさに語られることのない作者と観客の役割についてより具体的な哲学的考察を行なっていきたいと思います。
【2】ロボット倫理
もう一つの関心領域はロボット倫理です。芸術作品同様、ロボットもまた人工物の一種ですが、自律的な動作を行なうものであるがゆえにその社会的位置づけは様々な検討が必要とされています。私は主として、使用者に親近感を抱かせるデザインのロボットと、それが人に与える影響や倫理的懸念をジェンダーやセクシャリティの観点から考察しています。
芸術作品とそれに関連する社会制度や、それらを支える形而上学的概念について哲学的研究をしています。
たとえば、『ハムレット』は様々な劇場、俳優、演出家によって、多く言語で上演されてきました。これらの上演を同じ『ハムレット』たらしめる作品それ自体は存在するのか。この問いに対して、「存在するのは、実際に上演されている舞台の出来事だけである」という立場を私は擁護しています。
この背景には、抽象的対象に対する唯名論の立場があります。唯名論という名前は、中世の普遍論争に由来するものです。たとえば、私という人間が存在する、(おそらく)人間であるあなたも存在している。それでは、私やあなたが共有し、人間たらしめる<人間そのもの>、すなわち人間の普遍者は存在しているのか、という問題を論じて来たのが普遍論争です。唯名論とは、この問いに対して、「人間そのもの」は存在しない、と答える立場を指すものです。特に、私はデイヴィット・ルイスの唯名論的な性質の形而上学をヒントとして研究を続けています。彼の理論には、抽象的対象への関与を慎重に回避しつつも、「同じ性質をもつものは互いに類似し、同じ効果を引き起こす」という点を確保できるという利点があるからです。
最近の関心は、ある上演が特定の作品のものだとみとめられるための要件として、観客、批評家,ファンといった作品の受容者が果たす役割です。芸術を社会制度の一つとみなす、ジョージ・ディッキーの大きな枠組みに共感しつつ、あまりつぶさに語られることのない作者と観客の役割についてより具体的な哲学的考察を行なっていきたいと思います。
【2】ロボット倫理
もう一つの関心領域はロボット倫理です。芸術作品同様、ロボットもまた人工物の一種ですが、自律的な動作を行なうものであるがゆえにその社会的位置づけは様々な検討が必要とされています。私は主として、使用者に親近感を抱かせるデザインのロボットと、それが人に与える影響や倫理的懸念をジェンダーやセクシャリティの観点から考察しています。
研究分野
1経歴
10-
2019年6月 - 2020年3月
-
2019年4月 - 2020年3月
-
2018年10月 - 2019年3月
-
2016年4月 - 2018年9月
-
2017年10月 - 2018年3月
学歴
2-
- 2013年3月
-
2011年4月 - 2012年3月
委員歴
1-
2010年8月 - 2012年7月
論文
15-
メタフュシカ (51) 1 - 11 2020年12月
-
立命館大学人文科学研究所紀要 120 199 - 216 2019年12月 査読有り
-
Proceedings of the IEEE 107(3) 575 - 581 2019年3月 査読有り
-
信学技報, Vol.117, No.286, pp.51-55 2017年
-
Proceedings of the 2017 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems 5 837 - 847 2017年 査読有り
MISC
8-
Art Research Online 2021年2月
-
ユリイカ [詩と批評] 769(53-1) 2020年12月 招待有り
-
公益財団法人日本女性学習財団 月刊We Learn (ウィラーン ) 793 4 - 7 2020年2月
-
現代思想 47(14) 2019年11月 招待有り
-
人工知能学会全国大会論文集 2018 3H2OS25b04 - 3H2OS25b04 2018年
書籍等出版物
2-
フィルムアート社 2018年12月 (ISBN: 4845917165)
-
国立国会図書館 2018年3月
講演・口頭発表等
30-
ダイバーシティ・カフェ19 大阪大学COデザインセンター(ダイバーシティ&インクルージョン・プロジェクト) 2020年10月29日 招待有り
-
6th World Conference on Research Integrity 2019年6月4日
-
山田友幸教授ご退職記念 ワークショップ 2019年3月23日
-
ワークショップ「ジェンダーと身体」 2019年1月12日 酒井麻依子(立命館大学文学研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員) 招待有り
-
International Workshop on Morality and Robots 2018年11月30日 招待有り
担当経験のある科目(授業)
5-
2017年10月 - 2018年3月
-
2017年9月 - 2018年2月
共同研究・競争的資金等の研究課題
1-
公益財団法人トヨタ財団 2018年度研究助成プログラム特定課題「先端技術と共創する新たな人間社会」
-
司会, 企画応用哲学会 応用哲学会サマースクール 2016年8月29日 - 2016年8月31日
メディア報道
1-
日刊工業新聞 ニュースイッチ 2020年10月2日 インターネットメディア
社会貢献活動
1