論文

2016年10月

当院における知的障害者に対する全身麻酔前スクリーニング検査の実施状況と今後について

障害者歯科
  • 吉田 啓太
  • 向井 明里
  • 向井 友宏
  • 小田 綾
  • 高橋 珠世
  • 山下 美重子
  • 好中 大雅
  • 神田 拓
  • 尾田 友紀
  • 吉田 充広
  • 岡田 貢
  • 入舩 正浩
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37
4
開始ページ
445
終了ページ
450
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本障害者歯科学会

麻酔前スクリーニング検査として、血液生化学検査、胸部エックス線写真撮影、心電図検査、尿検査、呼吸機能検査が一般的に行われている。麻酔前の患者評価では病歴聴取や身体の診察が重要であり、すべてのスクリーニング検査が必要とは限らない。しかし知的障害者では病歴聴取から得られる情報に限りがあることや高い割合で全身的合併症を有していることから、患者評価の手段としての麻酔前スクリーニング検査は重要である。麻酔前スクリーニング検査の異常所見が麻酔中の合併症を最小限にできるような情報であれば、検査は有益である。術中・術後の合併症では麻酔操作、手技によるものが多く、現況では、麻酔中、麻酔後の合併症を最小限にできていると考えられる。しかし、これらの検査がその協力性から不可能な場合や、検査方法、手技によっては、誤った所見となり有益でない検査の可能性もある。今回の調査では、呼吸機能検査、尿検査では検査不可能な症例が多く、さらにその結果が必ずしも正しいとは判断できず、有益な手段として利用できていなかった。一方、知的障害者が高頻度に全身的合併症を有していること、抗てんかん薬、抗精神病薬などの内服が多いこと、全身的合併症のない知的障害者でも潜在する合併症の可能性があることなどを考えると、血液生化学検査、胸部エックス線写真撮影および心電図検査は行うべきであり、得られた理学所見とともに評価することが重要と思われた。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0913-1663
  • eISSN : 2188-9708
  • 医中誌Web ID : 2017080884

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