2020年7月 - 2023年3月
ダウン症者のための認知機能評価尺度の開発と汎用化のための検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
2018~2019年に高尾らが収集した日本語版CS-DSおよび日本語版DSQIIDのデータでは、CS-DSの原著に合わせて16歳以上の対象者で信頼性妥当性を検証した。2020年度に論文投稿、2021年5月発刊の学会誌に掲載された。
2021年度は、日本語版DS-DSの対象拡大と精度の検証のため、高尾らデータを用いてダウン症者の年齢を10歳以上として再分析を行った。1回目250名(10~15歳:46名,16歳以上:204名),2回目165名(10~15歳:25名,16歳以上:140名)について、評価者間評価,評価-再評価,内的整合性の検証を行った。結果、日本語版DSQIIDとの比較による基準関連妥当性は, 10歳以上すべての年齢の相関係数は0.738,10~15歳が0.747であった。探索的因子分析は,61項目中56項目が5因子に分類でき、因子内のCronbachα係数はいずれも0.6以上であった。以上より、10歳以上と対象年齢を拡大しても、信頼性と妥当性が確認できた。しかし、評価者間評価において、10~15歳の実行機能の級内相関係数は0.247と他の機能に比べて低値であり、育児関与の差異が影響していると考えられた。評価者の条件を検討する必要がある。しかしながら、より低年齢から使用できることで、認知発達のピークを簡便に確認できる可能性がある。
田中ビネー知能検査Ⅴとの比較については、コロナ禍の受診制限および各種申請書類に期限延長などの措置により、対象者確保に時間を要している。ダウン症者は予定症例数に達しているが、非ダウン症候群の対象が未達成である。2022年5月末には目標人数に達する見込みである。
2021年度は、日本語版DS-DSの対象拡大と精度の検証のため、高尾らデータを用いてダウン症者の年齢を10歳以上として再分析を行った。1回目250名(10~15歳:46名,16歳以上:204名),2回目165名(10~15歳:25名,16歳以上:140名)について、評価者間評価,評価-再評価,内的整合性の検証を行った。結果、日本語版DSQIIDとの比較による基準関連妥当性は, 10歳以上すべての年齢の相関係数は0.738,10~15歳が0.747であった。探索的因子分析は,61項目中56項目が5因子に分類でき、因子内のCronbachα係数はいずれも0.6以上であった。以上より、10歳以上と対象年齢を拡大しても、信頼性と妥当性が確認できた。しかし、評価者間評価において、10~15歳の実行機能の級内相関係数は0.247と他の機能に比べて低値であり、育児関与の差異が影響していると考えられた。評価者の条件を検討する必要がある。しかしながら、より低年齢から使用できることで、認知発達のピークを簡便に確認できる可能性がある。
田中ビネー知能検査Ⅴとの比較については、コロナ禍の受診制限および各種申請書類に期限延長などの措置により、対象者確保に時間を要している。ダウン症者は予定症例数に達しているが、非ダウン症候群の対象が未達成である。2022年5月末には目標人数に達する見込みである。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K20779
- 体系的課題番号 : JP20K20779
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
日本遺伝カウンセリング学会誌 42(1) 125-133 2021年5月 査読有り最終著者責任著者
講演・口頭発表等
1-
第44回日本遺伝カウンセリング学会 2020年7月3日