共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

好熱性繊維状ファージの生活環と宿主応答から辿る極限環境での遺伝子水平伝播と進化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H02903
体系的課題番号
JP20H02903
配分額
(総額)
17,550,000円
(直接経費)
13,500,000円
(間接経費)
4,050,000円

T. thermophilus HB8株を宿主とし、溶菌性ファージYS40、繊維状ファージφOH3、φOH16をそれぞれMOI=1で感染後、経時的に培養菌体を回収し、mRNAを精製した。これらを用いて200 bpのペアエンドシークエンスを行い、RNAseq解析を行った。その結果、各ファージ感染菌体において顕著な転写変動が検出された。この結果から有意に転写増大または減少した遺伝子について定量PCRを行い、時間的挙動を解析する予定である。
また、φOH16のTransposaseと推定されるORFをpET21ベクターにクローニングし、大腸菌BL21(DE3)を形質転換した。この形質転換帯をIPTG誘導し、NTA-アガロースにより精製したTransposaseタンパク質を得た。本タンパク質は次年度のDNA footprinting等の実験に供する予定である。
さらに、溶菌性ファージYS40、繊維状ファージφOH3、φOH16の脱凝集機能を評価する為、アミロイドβ等の各種凝集性タンパク質との相互作用を検討した。混合物を各温度でインキュベート後、ネガチブ染色し、透過型電子顕微鏡で観察した結果、溶菌性ファージで認められなかった球状の凝集隊が繊維状ファージ添加時のみ確認された。本現象についての分子生物学的解析を次年度行う予定である。
溶原性ファージOH2については、マイトマイシンC等の添加によるプロファージの誘導条件を決定し、得られた誘導ファージ粒子の再感染性を検討した。その際、誘導ファージの安定性について、各pH、塩濃度、バッファー組成などから、至適条件を決定した。本ファージの組み込み・切り出し機構について22年度以降にRNAseqを用いて検討する予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H02903
ID情報
  • 課題番号 : 20H02903
  • 体系的課題番号 : JP20H02903