共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

貧困世帯の貨幣運用に介入する政策・実践の金融的手法に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K02238
体系的課題番号
JP20K02238
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

申請時(2019年度)の研究計画では、2年目にあたる2021年度は支援機関への調査を予定していたものの、コロナ禍の影響を鑑み、当該調査の実施は次年度以降に変更した。これに代わり、別の年度に計画されていた研究を次の通り実施した。
1つ目は、「判断能力が不十分」とみなされる困窮世帯の人々にとっての権利擁護関連事業における家計管理に注目した。まず、成年後見制度利用支援事業の展開と論点について検討し、国の取り組みについての論点については、高齢者と障害者に分離した政策設計の是非や他の貧困・低所得対策との整合性を踏まえた制度設計や自治体政策の推進を指摘した。また、日常生活自立支援事業の展開と課題について検討した。特に福祉サービスの利用契約を形式的には主目的としつつも、実質的には日常的金銭管理が重視されている動向に着目し、制度設計全体における日常的金銭管理の位置づけやその特質を明らかにした。
2つ目は、家計のやり繰り、とりわけ食費のやり繰りに間接的に関連する民間の無料配布の活用についてである。これについては、こども食堂に関わる広範囲の文献資料レビューを行った。この結果、こども食堂に関わる研究の量は増加しているものの、実証研究については運営者に対に対する質的な調査がほとんどであった。一方、困窮世帯に注目した調査や居場所等以外の機能に着目した調査は比較的少なく、家計のやり繰りという観点からとらえた研究は確認できなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K02238
ID情報
  • 課題番号 : 20K02238
  • 体系的課題番号 : JP20K02238