MISC

2022年

フロチリン定量による新たなアルツハイマー病血液診断法の開発とその分子メカニズムの解明

大和証券ヘルス財団研究業績集
  • 中村知寿
  • ,
  • 道川誠

45
45
開始ページ
70
終了ページ
73
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公財)大和証券ヘルス財団

家族性アルツハイマー病(AD)の遺伝子変異を持つADモデルマウスを用いて、血中フロチリンレベルと認知機能障害および脳内アミロイドβ(Aβ)の沈着との関係を検討した。さらに血液脳関門(BBB)に着目し、in vitro BBBモデルを構築してBBBにおいてAβがフロチリンレベルに影響を与えるか検証した。その結果、ADモデルマウスは4〜6ヵ月齢以降認知機能の有意な低下を示した。血中フロチリンレベルはウエスタンブロットによる解析で年齢依存的に低下する可能性が示された。血管内皮細胞とアストロサイトの共培養in vitro BBBモデルでは、Aβ添加によりフロチリンレベルが時間依存的に低下した。Aβの蓄積はBBBにおいて、アストロサイトを介して血中のフロチリンレベルを低下させる可能性が示された。血中フロチリンは新たなAD診断法としての利用や、治療薬の効果判定として利用できる可能性があると考えられた。

リンク情報
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=202202232243349764
ID情報
  • 医中誌Web ID : W331470015
  • J-Global ID : 202202232243349764

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