2003年 - 2005年
フランス革命期地方都市の政治と権力〜ルアン市の「政治的現実主義」の諸背景
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
採用期間3年にわたる研究期間における主要研究テーマは、1789年に勃発したフランス革命期における中央権力と地方との権力関係を対象に、従来日和見的とも言われてきた「親革命」の都市、中央に従順な都市ルアンが見せた政治的態度の諸背景を探ることで、革命が目指した中央集権国家の構造的基礎をなすものが何であるのかを、政治、社会、経済といった側面から明らかにすることにあった。本年度は主要研究対象であるルアン市の政治指導者層に関する多様な側面からの分析を進め、データを収集・分析する一方、ルアン以外の地方都市の政治的態度の分析を行いつつ、学術論文作成にあたることを目標としていた。成果としては以下の2点を挙げることができる。
第一に、ルアン市の革命期政治指導者300余名を対象とするプロソポグラフィ研究とデータベースの作成である。特に法曹家と商人に関しては、その日常的生業の実態、社会的結合関係、遺産目録などから判明する財産規模、残されたパンフレット、覚書、書簡等から判明する思想的立場を可能な限り詳細に分析・整理したデータベースを作成した。これらは、データベースソフトFileMakerProを使用して作成しており、近日中に同種の、あるいは関係する研究を行う研究者が参照できる形でWEB公開する予定である。同種のデータベースは、ルアン以外の地方都市の一つカン市200余名についても完成しており、同じく公開する予定である。
第二に、「親革命」の都市ルアンの比較対象として本年度特に集中して検討したカン市について、その革命の実態、特に1793年夏の「反乱」における政治指導者層の言動について分析した学術論文を『一橋論叢』誌上で発表した。
第一に、ルアン市の革命期政治指導者300余名を対象とするプロソポグラフィ研究とデータベースの作成である。特に法曹家と商人に関しては、その日常的生業の実態、社会的結合関係、遺産目録などから判明する財産規模、残されたパンフレット、覚書、書簡等から判明する思想的立場を可能な限り詳細に分析・整理したデータベースを作成した。これらは、データベースソフトFileMakerProを使用して作成しており、近日中に同種の、あるいは関係する研究を行う研究者が参照できる形でWEB公開する予定である。同種のデータベースは、ルアン以外の地方都市の一つカン市200余名についても完成しており、同じく公開する予定である。
第二に、「親革命」の都市ルアンの比較対象として本年度特に集中して検討したカン市について、その革命の実態、特に1793年夏の「反乱」における政治指導者層の言動について分析した学術論文を『一橋論叢』誌上で発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 03J09000
- 体系的課題番号 : JP03J09000