共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

緊急時に対応可能な血中自己抗体の簡易除去システムの創製

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K01386
体系的課題番号
JP17K01386
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円
資金種別
競争的資金

血中に存在する病気の原因となる物質を分離・除去する血液浄化療法(アフェレシス療法)は、薬物中毒、敗血症、潰瘍性大腸炎、リウマチなどに有効な治療手段として認識されている。しかし、血液浄化療法は大掛かりな装置と電源を必要とし、自然災害などの緊急時に対応できない弱点がある。本研究の目的は血液浄化療法を施すことが困難な自然災害などの緊急時に血液浄化療法の代替となる血中自己抗体の簡易除去システムを創製することである。新規簡易除去システムは生体内に存在するマクロファージ細胞本来の分解能力を利用するものであり、装置と電源を必要としない。簡易除去システムはマクロファージ細胞を認識するナノ分子本体と、血中自己抗体との結合に必要なプロテインG由来のペプチドから構成されている。
本研究の成功への鍵を握るのはマクロファージ細胞に対する簡易除去システムの選択性とマクロファージ細胞による簡易除去システムの取り込み量である。簡易除去システムに対するマクロファージ細胞のより高い選択性および取り込み量を実現するために、本年度は簡易除去システムの改良に重点を置いて研究を遂行した。去年に続き簡易除去システムのサイズによるマクロファージ細胞の選択性と取り込み量の変化を評価した。さらに、簡易除去システムの選択性と取り込み量に影響を与えるマクロファージ細胞の表面レセプター(受容体)の特定も行った。
来年度は、心筋炎モデルマウスを作製し、簡易除去システムの効率性と有効性を評価する予定である。心筋炎モデルマウスはブタの心筋由来のミオシンを完全アジュバントと混合して皮下に投与することで作製する。簡易除去システムを心筋炎モデルマウスに投与してから血中抗体量とサイトカイン量の変化を調べる。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17K01386/17K01386seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K01386
ID情報
  • 課題番号 : 17K01386
  • 体系的課題番号 : JP17K01386