講演・口頭発表等

2018年9月

北アルプス、仁科山地に分布する青木花崗岩のジルコンU-Pb年代

日本地質学会第125年学術大会
  • 植木 忠正
  • ,
  • 横山 立憲

記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌

北アルプス北東部、仁科山地に分布する青木花崗岩は、高温で水に乏しい火成活動で形成された岩石である。白亜紀-古第三紀の珪長質火成活動の時空変遷は多くの研究から議論されているが、このような特異な火成活動を議論するには、活動年代の情報が不可欠である。本研究では、土岐地球年代学研究所におけるLA-ICP-MSを用いたU-Pb年代測定技術の整備の一環として、青木花崗岩のジルコンU-Pb年代測定を行った。その結果、ディスコーダント粒子を除いた26粒子の加重平均年代は65.7$\pm$0.8Maとなった。高温のマグマから形成された青木花崗岩において、閉鎖温度の高いジルコンU-Pb年代は火成活動の年代を示すと考えられる。また、この年代値は周辺の火成岩類の既存研究での年代値とも矛盾しない。この結果は、白亜紀-古第三紀火成活動の時空変遷の議論において重要と考えられる。