2020年4月
インプラント埋入術の術前に抗凝固薬を休薬し、術後に広範な心原性脳梗塞を発症した1症例
日本歯科麻酔学会雑誌
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- 巻
- 48
- 号
- 2
- 開始ページ
- 51
- 終了ページ
- 53
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本歯科麻酔学会
71歳女。慢性心房細動があり、A病院でワルファリンを処方されていた。上顎右側臼歯部に対するインプラント埋入術がB歯科医院で予定され、手術当日を含めて術前5日間のワルファリン休薬がA病院の医師により指示された。インプラント埋入術は問題なく終了し、術後1日目からワルファリンが再開された。術後3日目に自宅で倒れているところを発見されて当院に救急搬送され、心原性脳梗塞と診断した。本例は術後1日目からワルファリンが再開されているものの、脳梗塞発症時のPT-INRは1.17と治療域には達していなかった。2010年に『科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン』が発表され、その中で「少なくとも72時間以内にPT-INRが治療域にあることを確認したうえで抗凝固薬を継続下に処置を行うこと」と記載されている。
- ID情報
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- ISSN : 0386-5835
- eISSN : 2433-4480
- 医中誌Web ID : 2020263899