共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

アンダーユース問題解決のための生態系機能を活用した省力的な放棄地管理の評価

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K12254
体系的課題番号
JP20K12254
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

生物多様性の保全と持続可能な社会の実現に向けて、複数の生態系サービス間の相乗効果を実現する新たな農林業システムの構築が必要とされている。特にアンダーユース問題が深刻な里地里山において、放棄地管理のインセンティブが働く新たな里山システムの創造が必要とされている。そこで本研究は耕作放棄地等の管理放棄地の持続的管理と活用を目的に、石川県能登半島で展開される社会生態システム(クヌギ林社会生態系、水田社会生態系)および新たな活用を目指す管理放棄法面において、①生態系復元(生物多様性)、②生態系サービスのうち特に供給サービス、③復元・管理の効率性をそれぞれ指標する項目を調査しこれら3つの指標が同時に達成可能かを検証した。
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研究2年目は、①里山保全における新たなオプションとして検討した耕作放棄地に繁茂するヨシを活用した水田への刈敷投入効果の検討、②管理放棄法面における効果的なクズ植生管理と生物多様性・生態系サービス創出の検討を中心に実施した。①については、米生産量増加に有意な効果を見出せなかったが、玄米品質(食味値、整粒歩合)に統計的に有意な向上が認められた。ヨシ刈敷の最適投入量としては水田耕作面積の50%の面積で採取可能な量であると考えられた。②については、クズの繁茂自体は継続的な年1-2回刈取りで抑制可能だが、セイタカアワダチソウの増加を招く恐れがあり、景観・緑地利用上の問題を解決するにはセイタカアワダチソウに焦点を当てた別の対策指針が必要であることが判明した。山菜としての利用価値が高いフキ・ヨモギを増やすには年2回の刈取りが必要であるが、生態系サービスを利用しながら景観に配慮した植生管理を行う動機づけとなりうることが判明した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K12254
ID情報
  • 課題番号 : 20K12254
  • 体系的課題番号 : JP20K12254

この研究課題の成果一覧

論文

  1

講演・口頭発表等

  3