共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年9月 - 2023年3月

戦後ドイツの公的記憶に関する史的考察:ブラント政権下の歴史展示に着目して

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
20K22007
体系的課題番号
JP20K22007
配分額
(総額)
1,560,000円
(直接経費)
1,200,000円
(間接経費)
360,000円

本研究は、旧西ドイツ(1949-1990)のヴィリー・ブラント政権下(社会民主党・自由民主党連立政権;1969~1974年)の行政機関によって企画された歴史展示とそれをめぐる議論の展開を検討する。具体的な論点は、[A]. 「歴史意識の醸成」を目的とする歴史展示――「1871年―ドイツ史を問う」(連邦内務省)――の内容と東ドイツの影響、[B]. 歴史展示に対する訪問者、歴史家の反響の二点である。本研究は、これらの課題に取り組むことで、ブラント政権がどのような過去に関する記憶を「立場・世代を越えて語り継がれるべき記憶」(以下、公的記憶)とみなしたのか、そして、その記憶を国民に共有するためにどのような試みがなされたのか解明することを目指すものである。
2021年度は、課題[B]について、まず、連邦内務省文書に収録されている記録を通じて当時の訪問者の意見を検討することで、この歴史展示が多くの訪問者を獲得できた理由を検討した。次に、当時の歴史家がこの展示の成果と課題をいかに認識したのか、そして、歴史展示にあらわれた歴史認識に関する批判について、同時代のメディアでの報道や新聞・雑誌への歴史家の寄稿文の内容から検討した。
本研究の前提となるドイツ帝国(1871)の歴史的位置づけ、第二次大戦後旧西ドイツの歴史認識の変遷に関して、東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター(DESK)ワークショップ(2021年8月)と戦後福祉改革期研究会(2022年3月)で報告した。また、以上の研究成果をまとめた論文の投稿を2022年度前半に予定している。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K22007
ID情報
  • 課題番号 : 20K22007
  • 体系的課題番号 : JP20K22007