2013年3月
カシノナガキクイムシの穿孔部位選択様式
日本森林学会大会学術講演集(CD-ROM)
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- 巻
- 124th
- 号
- 開始ページ
- 128
- 終了ページ
- 545
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
- DOI
- 10.11519/jfsc.124.0.545.0
- 出版者・発行元
- 日本森林学会
カシノナガキクイムシのアタックを受けた被害木では、生育に好適な地際部に穿孔が集中的に分布することが知られている。しかしその一方で、穿孔が集中する地際部では、資源の枯渇や個体間の干渉といった負の密度効果によって、好適性が下がっていることも予想される。本研究では、カシノナガキクイムシの穿孔部位の時間的変化と、その後の繁殖成功に及ぼす穿孔時期と穿孔部位の影響を明らかにすることを目的とした。 2012年7月から9月にかけて、京都府東部の二次林でミズナラを対象にカシノナガキクイムシの穿孔部位について週1回の定期観察を行った。カシノナガキクイムシの穿孔を確認した9本のミズナラについて、粉状フラスの排出の有無から繁殖成功(次世代幼虫の有無)を確認した。更に各穿孔についてその高さと周辺の穿孔密度を測定した。ミズナラ樹幹上のカシノナガキクイムシの穿孔は、穿孔開始後3週間は地際部に集中し、その後高位置にも分布するようになった。また、穿孔時期、高さ、密度は繁殖成功に影響を及ぼしていないことが明らかとなり、カシノナガキクイムシの穿孔部位選択の結果、樹幹上の穿孔は理想自由分布的となっていることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11519/jfsc.124.0.545.0
- ISSN : 1349-8517
- J-Global ID : 201302292618009268
- CiNii Articles ID : 130005048691