共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

関節リウマチの治療応用を目標とした炎症収束性脂質因子及び受容体の機能解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K10000
体系的課題番号
JP17K10000
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

関節炎におけるFPR2 (formyl peptide receptor2)の機能について:2018年度の研究において、T細胞表面上のFPR2陽性細胞がごく少数であったことが明らかとなった。すなわちT細胞ではなく、既報通り単球・マクロファージ系においてFPR2の機能が重要であると考えられたため、関節炎の発症の時間的経過とFPR2の発現量の解析を行った。
実験1:ウシType IIコラーゲンにて誘導される実験的関節炎において、FPR2のリガンドであるResolvin D1(RvD1)を抗原投与後より合計8日間、100μgずつ腹腔内投与を行った。その後の関節炎の変化についてコントロール群と比較したが、関節腫脹の程度に関して有意な違いは認められなかった。また、関節炎誘導マウスにおいて抗原刺激前後における脾細胞およびリンパ節内のFPR2蛋白発現量をウエスタンブロッティング法を用いて確認したところ、FPR2はリンパ節では蛋白発現が認められず、脾細胞においては抗原刺激前には発現を認めたのに対して抗原刺激後7日以後より発現が消失することが判明した。
実験2:2017年に発表された大石らの報告(Cell Metabolism 25, 412-427, 2017)では、転写因子の一つであるSterol regulatory element-binding protein (SREBP)-1がTLR4刺激に応答してRvD1の基質であるドコサヘキサエン酸発現を誘導することが明らかとなった。我々は、ヒト変形性関節症(OA)もしくは関節リウマチ(RA)の手術時に獲得し得た脂肪組織を用いて、組織内マクロファージにおけるSREBP1の発現量を検討した。その結果、SREBP1はOA, RAともに皮下脂肪と比較して、より炎症局所に近い膝蓋下脂肪組織において発現量が低下していることが明らかとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K10000
ID情報
  • 課題番号 : 17K10000
  • 体系的課題番号 : JP17K10000