研究ブログ

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日本の内科診療所における危険な飲酒、アルコール依存症疑いの割合

日本の内科診療所における危険な飲酒、アルコール依存症疑いの有病率に関する論文がGeneral Hospital Psychiatryに掲載されました。岡山、広島、兵庫、大阪の40以上の内科診療所の協力を得て、岡山市立市民病院、久里浜医療センター、株式会社CureAppと共同で実施した研究の成果第一弾です。

So, R. et al. (2024) ‘Prevalence of hazardous drinking and suspected alcohol dependence in Japanese primary care settings’, General hospital psychiatry, 89, pp. 8–15.

今回の論文では、18の診療所、1388人の外来患者さんを対象に、AUDITという自記式質問紙を用いて危険な飲酒、アルコール依存症疑いの有病割合を調査しました。その結果、22%(95%信頼区間:20%~24%)の方が危険な飲酒をしているか、アルコール依存症が疑われることが明らかになりました。また、AUDITスコアが上がるにつれ、飲酒習慣を改善しようという意識も高くなることがわかりました。一方、スコアが8~14点の危険な飲酒レベルの方のうち、過去1年間に医師を含む他者から飲酒について心配されたと報告したのはわずか22%(95%信頼区間:16%~28%)で、女性においてはわずか11%でした。
本研究は、日本の内科診療所に通院する患者さんの中には危険な飲酒以上の飲酒習慣を持つ方が多いことを明らかにしました。こういった方々に対して、内科診療所で実施可能で効果的な介入手法の開発、普及が望まれます。

accepted versionをCC BY-NC-NDライセンスで公開します。

GHP-D-24-00125_R1.pdf

published versionはこちら。

https://doi.org/10.1016/j.genhosppsych.2024.04.002

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