2018年4月 - 2021年3月
酸化ストレスと運動習慣の関連および酸化ストレスが筋疲労回復に与える影響の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
近年、酸化ストレスと関連しない疾患は存在しないとまでいわれているが、運動習慣や運動様式の違いが酸化ストレス度および抗酸化力に与える影響は不明な点が多い。さらに、抗酸化物質の摂取は抗酸化力を向上させることで酸化ストレス度の上昇を抑制するとされているが、抗酸化物質の摂取が筋疲労に対してどのような影響を与えるかについては不明である。本研究では、1)運動習慣や運動様式の違いが酸化ストレス度および抗酸化力に与える影響を明らかにすること、2)酸化ストレス度および抗酸化力と筋疲労の関連を検討し、抗酸化物質摂取が酸化ストレス度および筋疲労に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
平成31年度は、平成30年度に引き続き運動習慣のない健常若年者約100名の測定を行った。
測定時に月経中であった女性アスリートを対象とし、過去1週間の高強度運動時間の中央値(12時間/週)により2群に分類すると、高強度運動を行っていた時間が長かった長時間群において短時間群と比較して、抗酸化力(BAP)は有意に低値を示した。このことから、月経期に高強度運動を多く行っている女性アスリートは、月経期の抗酸化力が低い可能性が示された。また、競技特性が酸化ストレス指標に与える影響を明らかにするため、手指部への物理的な刺激が多い競技(Hand群;ハンドボール・バレーボール・柔道・剣道)、少ない競技(Non-Hand群;サッカー・水泳・陸上)で2群に分類し検討した。酸化ストレス度は、Hand群がNon-Hand群と比較して有意に高値を示した。一方、主観的な疲労度は、Non-Hand群がHand群と比較して有意に高値を示した。Hand群において、主観的な疲労度が低いにも関わらず酸化ストレス度は高いことから、練習等による日常的な手指部への物理的な刺激は、指先採血による酸化ストレス度に対して影響を与える可能性があることが示唆された。
平成31年度は、平成30年度に引き続き運動習慣のない健常若年者約100名の測定を行った。
測定時に月経中であった女性アスリートを対象とし、過去1週間の高強度運動時間の中央値(12時間/週)により2群に分類すると、高強度運動を行っていた時間が長かった長時間群において短時間群と比較して、抗酸化力(BAP)は有意に低値を示した。このことから、月経期に高強度運動を多く行っている女性アスリートは、月経期の抗酸化力が低い可能性が示された。また、競技特性が酸化ストレス指標に与える影響を明らかにするため、手指部への物理的な刺激が多い競技(Hand群;ハンドボール・バレーボール・柔道・剣道)、少ない競技(Non-Hand群;サッカー・水泳・陸上)で2群に分類し検討した。酸化ストレス度は、Hand群がNon-Hand群と比較して有意に高値を示した。一方、主観的な疲労度は、Non-Hand群がHand群と比較して有意に高値を示した。Hand群において、主観的な疲労度が低いにも関わらず酸化ストレス度は高いことから、練習等による日常的な手指部への物理的な刺激は、指先採血による酸化ストレス度に対して影響を与える可能性があることが示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K10810
- 体系的番号 : JP18K10810
この研究課題の成果一覧
絞り込み
講演・口頭発表等
4-
第32回日本臨床スポーツ医学会学術集会 2021年11月
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第76回日本体力医学会大会 2021年9月
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第30回日本臨床スポーツ医学会学術集会 2019年11月16日
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第30回日本臨床スポーツ医学会学術集会 2019年11月16日