2021年12月10日
気管挿管・気管切開後に生じた気管狭窄症例の検討
日本気管食道科学会会報
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- 巻
- 72
- 号
- 6
- 開始ページ
- 304
- 終了ページ
- 309
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.2468/jbes.72.304
- 出版者・発行元
- 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
気管狭窄症は比較的稀な疾患であるため,各施設で取り扱う症例数が少なく,治療法が十分に検討されていない。今回,われわれは気管挿管後または気管切開後に発症した気管狭窄症8例の臨床経過を検討した。3例が気管挿管後,2例が気管切開後,3例が両者の後に気管狭窄をきたしていた。軟部組織により内腔が狭窄しているものを瘢痕型,気管軟骨が内陥しているものを軟骨内陥型に分類した。軽症の3例でステロイドによる保存的治療を行い,2例で病態の改善が得られた。瘢痕型の4例でトラフ法による気管形成術を施行し,粘膜移植を行わなかった3例で,ステントとして2カ月以上T-tubeを留置し内腔の拡大が得られた。軟骨内陥型の2例で枠組みの整復を行い,1例はスピーチカニューレをステントとして用い,1例は一期的に気管孔を閉鎖した。気管狭窄症は原因や発症時期により病態が異なるため,症例に応じて適切な治療法を選択することが重要である。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2468/jbes.72.304
- ISSN : 0029-0645
- eISSN : 1880-6848
- CiNii Articles ID : 130008134490
- CiNii Books ID : AN00187474
- CiNii Research ID : 1390290537431591168