共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

量子アフィン代数の加群圏の研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 藤田 遼

課題番号
18J10669
配分額
(総額)
1,700,000円
(直接経費)
1,700,000円
(間接経費)
0円

本年度は、(i)ディンキン箙に付随する量子アフィン型シューア・ワイル双対性関手の幾何学的実現、(ii)GL型アフィングラスマン多様体の同変K群の標準基底に関する研究を行った。
(i)では、有限ADE型のディンキン箙に付随して定まる量子アフィン代数の適切な加群圏と箙ヘッケ環の加群圏を結ぶモノイダル完全関手を、Kang-柏原-Kimによるオリジナルの代数的構成とは独立に、適切なパラメータに付随する次数付き箙多様体の同変K群を用いて実現した。オリジナルの構成では量子アフィン代数の基本表現のテンソル積上のR行列の分母を計算することが本質的であり、そのためにADE型に対して個別の取り扱いが必要かつE型の場合には計算機を援用する必要があったが、本構成はADE型について統一的かつ計算機の援用を避けることもできた。さらに、本構成を幾何学的拡大代数と結びつけることにより、関手が圏同値を与えることの簡明な証明が得られた。以上の結果は学術雑誌への掲載が決定した。
(ii)はM.Finkelberg氏との共同研究である。最近Cautis-WilliamsによってGL型アフィングラスマン多様体の同変K群上に量子団代数の構造が入り、それがループ群LSL2の量子冪単胞体と量子団代数として同型であること証明された。本研究では、両者の標準基底(前者における既約偏屈連接層の類がなす基底と、後者におけるLusztigの意味での双対標準基底)が一致することを証明した。要点は、後者の双対標準基底を特徴づけるよく知られた性質の類似を、前者の既約偏屈連接層の類に対しても見出すことであったが、本研究ではGL型アフィングラスマン多様体をA型の冪零錐と適切に結びつけ、冪零錐上の偏屈連接層に関するBezrukavnikovの理論を援用することによってこれを実行した。以上の結果は共著論文としてまとめ、学術雑誌に投稿した。