共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年 - 2011年

1分子計測技術を用いたシャペロニンおよびリボソームの機能・相互作用解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特定領域研究  特定領域研究

課題番号
22020006
体系的課題番号
JP22020006
配分額
(総額)
4,800,000円
(直接経費)
4,800,000円

1.シャペロニンGroELの機能・相互作用解析
当初の計画を変更し,フットボール型GroEL-GroES複合体の両側のリングでGFPがフォールディングする様子をリアルタイムにイメージングすることを試みた.変性GFPを捕捉したGroEL D398A変異体をガラス基板上に固定し,GroESおよびcaged ArPを添加した.紫外光照射によりArPを生成させたところ,両側のリングにGFPの蛍光が出現する様子が観察された.紫外光照射からGFPの蛍光が出現するまでの時間を解析したところ,GFPのフォールディングは2段階の反応を経て進行し,そのキネティクスは弾丸型複合体内で起こる反応と全く同じであることが分かった.
2.リボソームの機能・相互作用解析
(1)翻訳開始段階の1分子力学測定
昨年度までに1分子破断力測定により,30Sサブユニット-mRNA-開始tRNA複合体に開始因子2(IF2)および50Sサブユニットを共存させると,30Sサブユニット-mRNA間相互作用が安定化することを見出した.本年度はこの分子基盤を探り,IF2が開始tRNAおよび50Sサブユニットと協同で30Sサブユニット-mRNA間相互作用を安定化することを突き止めた.以上の成果をまとめ,米国科学アカデミー紀要に発表した.
(2)翻訳アレスト段階の1分子力学測定
無細胞タンパク質翻訳系でC末端にSecMのアレスト配列を有するHaloTagタンパク質を合成し,リボソーム-SecMアレスト配列間の相互作用の破断力測定を行った,その結果破断力は,平均20pNであった.またアレスト配列・終止コドンを持たないコンストラクトについて同様の実験を行ったところ,破断力は平均22pNとなった.以上の結果から,SecMの翻訳アレストは20pNよりも弱い力で解除されることが示唆された.現在,新たな実験系での測定を試みている.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PUBLICLY-22020006
ID情報
  • 課題番号 : 22020006
  • 体系的課題番号 : JP22020006

この研究課題の成果一覧

メディア報道

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