共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

顎関節障害の病態進展メカニズムの解明に向けた大規模MRIデータの縦断的解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

課題番号
17K17165
体系的課題番号
JP17K17165
配分額
(総額)
4,030,000円
(直接経費)
3,100,000円
(間接経費)
930,000円

subchondral cystは変形性顎関節症の一つに含まれ,画像検査において診断すべき異常所見である.しかし,subchondral cystに関する報告は十分ではなく,その原因および病態は未だ明らかになっていない.そこで本年度は下顎頭のSubchondral cystの経時的変化を調査するための縦断研究を実施した.まず予備調査としてSubchondral cystが下顎頭に認められる患者43名の初診時のMRデータの読影および解析を行った.MR所見において,subchondral cystの大きさ,矢状面および冠状面におけるSubchondral cystの位置,下顎頭皮質骨外側からsubchondral cystまでの距離,関節円板の位置異常について調査したところ,Subchondral cystは負荷が加わりやすい下顎頭の前方および上方に位置する傾向があり,また,下顎頭皮質骨辺縁に近接して存在しているものが多いことが判明した.さらに,Subchondral cystを有する顎関節のほとんどの関節円板に位置異常が認められたことなどから,下顎頭に加わる力学的負荷により引き起こされる骨のリモデリングによってSubchondral cystが生じる可能性が示唆された.
さらに,患者43名のうち縦断研究への協力に同意された27名のMR検査を実施した.2回目のMR検査は初診時より少なくとも3年が経過していた.初診時と比較して,Subchondral cystが消失しているもの,拡大しているもの,縮小しているもの,別の場所に新たなcystが形成されているもの等様々な様相を示した.下顎頭の形態はほとんど変化が認められないものや,大きく骨が吸収・添加しているケースが認められた.現在詳しい解析を進めている.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K17165
ID情報
  • 課題番号 : 17K17165
  • 体系的課題番号 : JP17K17165