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2016年

森林土壌における微生物の増殖・死滅と窒素動態

日本森林学会大会発表データベース
  • 磯部 一夫
  • ,
  • 岡 裕章
  • ,
  • 渡辺 恒大
  • ,
  • 浦川 梨恵子
  • ,
  • 舘野 隆之輔
  • ,
  • 妹尾 啓史
  • ,
  • 柴田 英昭

127
0
開始ページ
707
終了ページ
707
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11519/jfsc.127.0_707
出版者・発行元
日本森林学会

森林生態系において土壌微生物の増殖や死滅、様々な代謝反応は生態系の生産性や維持に大きく寄与している。本研究では、土壌中の細菌とカビならびに硝化・脱窒に関わる微生物群の量的な変動をそれぞれの微生物群が有する遺伝子の量的な変化から明らかにするとともに、その変動にともなう土壌中の窒素動態の変化について1年のスケールで検証した。調査は京都大学北海道研究林標茶区にて行った。 冬期の積雪期間において、土壌中の全細菌の16S rRNA遺伝子量、全カビの18S rRNA遺伝子量、アンモニア酸化細菌のamoA量は大きく増加した。硝酸の生成もまた確認された。このことから積雪期間において土壌微生物は全体として増殖期にあり、活発に窒素代謝を行っていることが示された。春先の土壌が凍結-融解を繰り返す期間において、16S rRNA遺伝子量、18S rRNA遺伝子量は大きく減少し、同時期に有機態窒素濃度の一時的な増大が見られた。このことから土壌の凍結-融解にともない微生物が死滅し、細胞内窒素が土壌中に放出されていることが示唆された。このように土壌微生物の増殖や死滅は生態系の窒素動態にダイレクトに反映されることが示された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11519/jfsc.127.0_707
J-GLOBAL
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201602259744539714
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005167325
URL
http://jglobal.jst.go.jp/public/201602259744539714
ID情報
  • DOI : 10.11519/jfsc.127.0_707
  • ISSN : 2187-6576
  • J-Global ID : 201602259744539714
  • CiNii Articles ID : 130005167325

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