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2015年

スダジイ落葉の初期分解過程における漂白の出現の地理的パターン

日本森林学会大会発表データベース
  • 大園 享司
  • ,
  • 舘野 隆之輔

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開始ページ
582
終了ページ
582
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11519/jfsc.126.0_582
出版者・発行元
日本森林学会

リグニン分解菌の定着にともない落葉が白色化する現象を漂白とよぶ。落葉の漂白部ではリグニン分解にともなって炭素・養分物質の無機化が促進されるため、森林土壌における物質循環に深く関与している。これまで漂白に関与する菌類の多様性や機能については情報が蓄積されつつあるが、漂白現象の地理的な分布パターンやその制限要因については不明点が多い。本研究は、顕著な漂白が認められるスダジイ落葉に注目し、初期分解プロセスでの漂白パターンを気候帯間で比較すると同時に、森林の伐採が及ぼす影響について調べた。鹿児島県において落葉直後で漂白の出現していない落葉を採取し、リターバッグに封入して2008年6月に北海道、群馬県、京都府、鹿児島県の4ヶ所に設置し、2、4、12ヶ月後に回収した。個葉レベルでの漂白部の面積率と、漂白落葉の枚数割合を算出し、菌類を観察した。漂白部の面積率は分解にともない増加した。漂白面積率は地域間で差が認められ、伐採地では低かった。漂白に関与するLophodermium属菌の出現率は京都で高く、また分解にともない増加した。生葉段階から葉にすでに感染しているLophodermium属菌の落葉漂白に果たす役割が示唆された。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11519/jfsc.126.0_582
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130005491089
ID情報
  • DOI : 10.11519/jfsc.126.0_582
  • CiNii Articles ID : 130005491089

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