2016年4月 - 2020年3月
窒素安定同位体比の変化に基づく外生菌根菌から樹木への窒素供給機能の評価手法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では、森林生態系における土壌-樹木間の窒素安定同位体比(δ15N)の変化とδ15N決定因子を明らかにした。外生菌根を形成する樹種の生葉のδ15Nはアーバスキュラー菌根を形成する樹種よりも高く、外生菌根菌による同位体分別はアーバスキュラー菌根よりも弱いことを示した。また、土壌のδ15Nは土壌の深さにともなって増加し、土壌表層のδ15Nは樹木の生葉のδ15Nと同程度であった。一方、各種形態の窒素のδ15Nと生葉のδ15Nとの関係は不明瞭であった。以上のことから、同位体分別に基づく窒素動態モデルの構築には、外生菌根以外の共生タイプと土壌深度を考慮する必要性が示された。
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- 課題番号 : 16H04937
- 体系的課題番号 : JP16H04937