共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2025年3月

半乾燥生態系での植物ー根圏微生物相互作用系を活用した緑化技術の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
20KK0134
体系的課題番号
JP20KK0134
配分額
(総額)
18,850,000円
(直接経費)
14,500,000円
(間接経費)
4,350,000円

本課題は、半乾燥地で多様性な種が共存する天然林では見られるが、従来の単一植栽の植栽地ではみられないような土壌微生物群や機能群を特定し、さらに植物―微生物間の相互ネットワークのコアとなる微生物群や有機化合物を特定することで、荒廃地や放棄農地、従来の植栽地から在来種を中心とした天然植生へと誘導する次世代型の緑化技術の提案を目的としている。具体的には以下の課題について取り組む予定である。(A) 誘導目標としての多様な在来種が優占する天然植生に加え、外来種を用いた単一種による植栽地や荒廃地、農地において、それぞれコアとなる土壌の微生物群を特定するとともに、共生関係を含む根圏での有効な植物―微生物間の相互作用関係の全貌を明らかにする。(B) 在来種と従来の緑化種の根圏土壌での植物―微生物相互作用系が生態系機能に与えるメカニズムを明らかにする。(C) 有効な植物―微生物相互作用系を活用した新しい緑化手法を開発する。
令和3年度は、令和2年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で渡航が難しく、現地で新しいサンプルを得ることが出来なかったが、これまで我々の研究グループで解析を進めてきた現地土壌培養実験の試料でのNGSシーケンスデータを活用し、微生物の群集構造やネットワーク構造に影響を及ぼす要因が、降水量や温度などの環境要因と土壌の基質や元々の微生物群集などの土壌起原に由来する要因のいずれが重要であるかの解析を行った。その結果、主に降水量や温度などの環境要因に応答する微生物群も存在するが、土壌の起源に由来する要因の方が相対的に重要であることが明らかとなった。その他、国内で人工滲出物に対する土壌機能の応答を明らかにする実験方法の検討を進めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20KK0134
ID情報
  • 課題番号 : 20KK0134
  • 体系的課題番号 : JP20KK0134