低温領域の熱年代学に基づく長期($>$10$^{6}$年)スケールにおける鉛直方向の地殻変動の推定; 島弧地域における現状と今後の展開
日本地球惑星科学連合2022年大会(JpGU 2022)
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- 開催年月日
- 2022年5月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 千葉
- 国・地域
- 日本
近年、東北日本弧における変動場についての理解は、新学術領域研究:地殻ダイナミクスプロジェクトにおいて分野横断的なアプローチにより大きな進展を見せた。われわれが実施してきた熱年代学的研究については、最近30年における手法の高度化などによって、島弧における起伏の小さい山地についても隆起・削剥史の復元が可能となった。そこで、東北日本弧での貢献や成果を踏まえて、2021年から新たに西南日本弧における熱年代学的研究に着手した。比較的シンプルな島弧地形を呈する東北日本弧とは対照的に、西南日本弧はプレートの斜め沈み込みや二列の隆起帯(中国山地・四国山地)の分布など、島弧としてのセッティングは比較的複雑である。東北日本弧で実施してきた同様の方法論として、島弧横断方向の測線に沿って基盤岩類である白亜紀$\sim$中新世花崗岩類に熱年代法を適用し、中国山地および四国山地の地質学的スケールの熱史・削剥史の復元を進めている。本講演では東北日本弧で実施してきた研究の概要および西南日本弧で得られた予察的データと熱年代学的解釈について報告する。