Apr, 2019 - Mar, 2021
超小型電気光学デバイスの実現を目指した強誘電体薄膜のストレインエンジニアリング
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
- Grant number
- 19J12654
- Japan Grant Number (JGN)
- JP19J12654
- Grant amount
-
- (Total)
- 1,900,000 Japanese Yen
- (Direct funding)
- 1,900,000 Japanese Yen
- (Indirect funding)
- 0 Japanese Yen
強誘電体のダイナミックかつ可逆的なドメインの再配向が電気光学(EO)効果に及ぼす影響を明らかにするために、強誘電体PbxZr1-xTiO3(PZT)薄膜のドメイン構造及びそのドメイン割合を薄膜に発生する歪みによって制御し、ダイナミックな電界下でのPZT薄膜の強弾性ドメインがEO特性に及ぼす影響を評価した。本年度は、以下の点で進捗があった。
・強誘電体のドメイン構造を考慮してEO効果の再測定を行った。この実験から異なる配向の膜を対等に比較することが可能となり、ドメイン構造の影響を加味したEO応答が明らかになった。
PZTのEO特性についてはバルク単結晶のデータが無く、本研究結果とシングルドメイン構造との比較ができていなかった。そこで、
・CaF2(001)基板上で適切なバッファー層を用いることで、x = 0.35の正方晶組成及びx = 0.7の菱面体晶組成のシングルドメインPZT膜を作製した。これらのPZT膜のEO特性の評価を行い、同組成のシングルドメインPZTで初めてEO係数が明らかになった。また、これらの結果や理論予測の値と比較することで、これまでの多くの文献値のEO係数は、組成による内因的なEO効果の増大だけでは説明できず、外因的なEO効果の影響が非常に大きいことが示唆された。
・前年度に得られた結果の解析をより詳細に行った。特に、圧電応答顕微鏡の測定結果から圧電振幅と位相の情報を詳細に解析することで、強弾性ドメインのドメインスイッチングの様相がより鮮明になった。
このように、これらの研究結果は電場によって動的にドメインスイッチングを起こすことで、膜全体の屈折率が動的に変化し、EO効果が向上したことを示唆しており、本研究課題の目的を達成できたと考えている。
・強誘電体のドメイン構造を考慮してEO効果の再測定を行った。この実験から異なる配向の膜を対等に比較することが可能となり、ドメイン構造の影響を加味したEO応答が明らかになった。
PZTのEO特性についてはバルク単結晶のデータが無く、本研究結果とシングルドメイン構造との比較ができていなかった。そこで、
・CaF2(001)基板上で適切なバッファー層を用いることで、x = 0.35の正方晶組成及びx = 0.7の菱面体晶組成のシングルドメインPZT膜を作製した。これらのPZT膜のEO特性の評価を行い、同組成のシングルドメインPZTで初めてEO係数が明らかになった。また、これらの結果や理論予測の値と比較することで、これまでの多くの文献値のEO係数は、組成による内因的なEO効果の増大だけでは説明できず、外因的なEO効果の影響が非常に大きいことが示唆された。
・前年度に得られた結果の解析をより詳細に行った。特に、圧電応答顕微鏡の測定結果から圧電振幅と位相の情報を詳細に解析することで、強弾性ドメインのドメインスイッチングの様相がより鮮明になった。
このように、これらの研究結果は電場によって動的にドメインスイッチングを起こすことで、膜全体の屈折率が動的に変化し、EO効果が向上したことを示唆しており、本研究課題の目的を達成できたと考えている。
- Link information
- ID information
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- Grant number : 19J12654
- Japan Grant Number (JGN) : JP19J12654