共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年8月 - 2023年3月

戦後日本の道徳教育における思想・政策・実践の連関: 和辻哲郎とその学派を中心に

日本学術振興会  科学研究費助成事業 研究活動スタート支援  研究活動スタート支援

課題番号
21K20278
体系的課題番号
JP21K20278
配分額
(総額)
1,820,000円
(直接経費)
1,400,000円
(間接経費)
420,000円

本年度は、本課題の目的である和辻哲郎とその学派が、戦後日本の道徳教育の思想・政策・実践に及ぼした影響を明らかにするため、文献・史資料の収集および読解・分析をおこない、論文などの研究成果物を作成した(論文などの公刊は2022年度内)。詳細は、以下の通りである。
(1)和辻とその学派に関連する文献・史資料の収集および読解・分析:和辻哲郎とその学派にかかわる史資料については、調査・収集をすすめ、分析に着手している。本年度は、和辻にかんする文献・史資料の読解や、その学派に位置づく勝部真長、和辻に影響をうけた下程勇吉の文献・史資料の分析をおこなった。
(2)戦時下修身教育にかんする新史料の発見とその読解・分析:2021年度に実施した調査において、和辻に深いかかわりをもつ人物による戦時下の修身教育関連の史料を発見した。史料は、和辻やその学派の道徳教育へのかかわりをあきらかにするうえで重要な手がかりになるとともに、これまでの修身教育にかんする研究ではあきらかにされてこなかった修身教科書の編纂過程などの詳細がわかるものである。現在、分析をすすめており、2022年度内に成果を発表する予定である。
(3)研究成果の公表:上述の調査や研究をとおして、以下の研究成果の公刊が決定している。①「日本道徳教育史」『道徳教育の地図を描く』日本評論社、2022年刊行予定。②「下程勇吉における「まことの倫理」と道徳教育論」『道徳教育はいかにあるべきか2』ミネルヴァ書房、2022年刊行予定。③「『戦後日本』の再建と教育学」『教育哲学事典』丸善出版、2022年刊行予定。これらでは、戦後の道徳教育論がいかなる論脈や時代状況にあるのかを論じるとともに、和辻とその学派の思想や道徳教育の政策・実践へのかかわりをあきらかにし、近現代日本の道徳教育史の重要な一面をしめした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K20278
ID情報
  • 課題番号 : 21K20278
  • 体系的課題番号 : JP21K20278