共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

遠位呈示骨導超音波を用いた新型オーディオ・インターフェースの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H04497
体系的課題番号
JP20H04497
配分額
(総額)
17,680,000円
(直接経費)
13,600,000円
(間接経費)
4,080,000円

骨導(骨伝導)で呈示された超音波であれば,聴覚健常者はもとより,最重度難聴者にも知覚される.また,骨導超音波は頭部以外の頸部,体幹,上肢といった“遠位”に呈示した場合も知覚可能であり,着け心地が良く音漏れの無い新型骨伝導デバイスの開発に応用できる可能性がある.遠位呈示骨導超音波による聞こえを呈示部位や刺激の音響特徴量,およびチャネル数を変えながら検討し,音声明瞭度や音響情報の可搬性,および音質の向上に有用な知見を得る.また,呈示部位ごとの体内伝搬過程を詳細に検証したうえで,構成や実装形態が最適化された補聴器やオーディオ・デバイスを開発する.2020年度は以下のような研究に取り組んだ.
(1)可聴帯域の遠位呈示骨伝導音に対する単語了解度と単音節明瞭度を測定した.その結果,気導音には劣るものの,どの部位においても単語,単音節が実用レベルの明瞭性をもって知覚されことがわかった.一方,遠位呈示骨導超音波の結果とは異なり,明瞭度・了解度は呈示部位が頭部から離れるほど低下した.
(2)頭皮上の各部に呈示された骨伝導音の基礎知覚特性および伝搬特性を調べた.後頭部,頭頂部では検出閾が上昇したものの,前額部,前頭部では比較的良好な聴取が可能であることが明らかになった.
(3)顔面各部に呈示された骨伝導音の基礎知覚特性および伝搬特性を調べた.その結果,顎を除く顔面頭蓋上の各部位の検出閾は,従来部位である乳様突起,前額部に遜色のない値を示した.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H04497
ID情報
  • 課題番号 : 20H04497
  • 体系的課題番号 : JP20H04497