講演・口頭発表等

核不拡散、核セキュリティの推進方策に関する研究,3; NMACの効果的な活用に向けて

日本原子力学会2017年秋の大会
  • 田崎 真樹子
  • ,
  • 須田 一則
  • ,
  • 清水 亮
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  • 玉井 広史

開催年月日
2017年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌
国・地域
日本

原子力施設の内部脅威者による核物質の不法移転(盗取)は、核セキュリティ上の大きな課題の一つである。昨今、IAEAを中心に議論されているNMACは、施設内の核物質の場所、量及び特性に係る情報の維持・報告を行う「計量」と、核物質に係る知識の連続性の維持・管理を行う「管理」の2つのシステムの構築・運営により、上記の課題に有効の一つとされている。しかしこのNMACでは、内部脅威対策の人的管理の部分が必ずしもカバーされず、内部脅威の一方策としてのNMACの効果的な活用を支援するためには、この人的管理の対策を補完する方法を考える必要がある。米国では、内部脅威対策としての職員の信頼性確認等に寄与するものとして、内部脅威緩和プログラム、職務適正検査、バックグラウンドチェック、行動観察プログラム等の種々のプログラムが用意されているが、それらはいずれも内部脅威を起こす「人」の心理的側面に注目し、精神科医や心理学者による行動分析や、それに基づいた従業員及びその家族も含めたきめ細かい所要の対策を整備している点が特徴となっている。日本においては、米国の対策等を参考にしつつ、日本の社会/企業の特質等に合わせて日本の社会に適した対策を考慮していくこと、また従業員への全てへの対応が内部脅威対策に通じるとの認識を持つことも重要となろう。

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URL
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