MISC

2017年3月

【神経可塑性と精神疾患】発育期環境要因による神経精神疾患発症の制御

日本生物学的精神医学会誌
  • 田熊 一敞
  • ,
  • 吾郷 由希夫
  • ,
  • 原 雄大
  • ,
  • 長谷部 茂
  • ,
  • 中澤 敬信
  • ,
  • 橋本 均
  • ,
  • 松田 敏夫

28
1
開始ページ
22
終了ページ
26
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本生物学的精神医学会

臨床遺伝学的研究から、精神疾患や発達障害などの神経精神疾患は遺伝的要因のみならず環境要因との相互作用により発症することが明らかとされ、近年、環境要因説に基づく疾患動物モデルを用いた研究が数多く見られるようになった。我々は、「発育期の環境要因」が精神・神経機能に及ぼす影響や、広義の意味での環境要因として注目されている「胎生期・周産期の母体環境要因」が出生児の精神発達に及ぼす影響について研究を進めてきた。本稿では、精神疾患の遺伝的要因をもつ「下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド欠損マウス」において見いだした発育期の環境要因が及ぼす影響、ならびに胎生期母体環境仮説にもとづく発達障害モデルである「胎仔期バルプロ酸曝露マウス」において見いだした発症分子機序を紹介し、発育期の環境要因による神経精神疾患の発現制御の可能性について考察する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 2186-6619
  • 医中誌Web ID : 2017222668

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