MISC

2021年12月

アパタイトフィッション・トラック熱年代学に基づく北上山地の削剥史の推定

フィッション・トラックニュースレター
  • 梶田 侑弥*
  • ,
  • 末岡 茂
  • ,
  • 福田 将眞
  • ,
  • 横山 立憲
  • ,
  • 鏡味 沙耶
  • ,
  • 長田 充弘
  • ,
  • 田上 高広*

34
開始ページ
14
終了ページ
16
記述言語
日本語
掲載種別

東北日本弧前弧域における地質学的時間スケールの詳細な隆起・削剥史の復元のため、北上山地に分布する花崗岩類を対象としたU-Pb年代測定およびアパタイトフィッション・トラック(AFT)熱年代学を適用した。また、東縁に分布する浄土ヶ浜流紋岩について、その熱的影響や活動時期推定のため、U-Pb年代測定を行った。結果として、北上山地に分布する白亜紀花崗岩類2試料について122.7Maと117.3MaのU-Pb年代、および15試料について156.8Maから70.3MaのAFT年代、浄土ヶ浜の流紋岩については44.3MaのU-Pb年代が得られた。先行研究および本研究で得られたAFT年代を総合すると、北上山地の西方に向けて若返る傾向が示唆された。その原因として、火山フロントの移動による浄土ヶ浜の火成活動が考えられるが、本研究で得られたU-Pb年代に比べてAFT年代は有意に古い結果となり、トラックの長さ分布を利用した熱史逆解析の結果も徐冷を示唆していることから、再加熱を積極的に支持する結果は得られなかった。今後は、追加分析によるデータの信頼性の向上や、ESR法などのより閉鎖温度が低い熱年代計などの適用を予定している。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5072421
ID情報
  • ISSN : 1340-900X

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