論文

2018年8月

口腔乾燥症診断チャートの開発

日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌
  • 伊藤 加代子
  • ,
  • 船山 さおり
  • ,
  • 勝良 剛詞
  • ,
  • 金子 昇
  • ,
  • 濃野 要
  • ,
  • 池 真樹子
  • ,
  • 井上 誠

22
2
開始ページ
153
終了ページ
160
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本摂食嚥下リハビリテーション学会

口腔乾燥症の原因は、シェーグレン症候群(SS)、ストレス、薬剤の副作用など多岐にわたるうえ、原因は1つではない可能性がある。しかし、口腔乾燥症の診断基準は統一されておらず、医療機関あるいは歯科医師によって異なるのが現状である。また、従来のフローチャート形式の診断チャートでは、複数診断を行うことが困難である。著者らは、口腔乾燥症の診断を統一基準のもとで簡便に行うことを目的として、口腔乾燥症の診断基準を作成した。また、その診断基準をもとに、A4用紙1枚の診断チャートを作成した。その後、2014年1月から2016年12月に当科を受診した初診患者220名を対象として、診断チャートを用いた臨床統計を行った。診断の結果、自律神経性口腔乾燥症(135名、61.4%)が最も多く、次いで薬剤性(126名、57.3%)、蒸発性(81名、36.8%)、シェーグレン症候群(35名、15.9%)、心因性(歯科心身症)(32名、14.5%)であった。複数の歯科医師による診断の一致度は、カッパ係数が0.99で非常に高かった(p<0.001)。診断名が2つ以上ついている者は74.5%であった。今回、口腔乾燥症には、複数の要因が関連している可能性が高いことが明らかになった。今後、口腔乾燥症の診断にあたっては、複数診断が可能な口腔乾燥症診断チャートを使用することが有用であると考えられる。(著者抄録)

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