共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2024年3月

SDGsを目指した持続可能な地域の形成条件とESD評価方法に関する実証研究

文部科学省  科学研究費(基盤研究(C) )  基盤研究(C)

課題番号
19K02497
体系的課題番号
JP19K02497
担当区分
研究分担者
資金種別
競争的資金

3年目となる本研究では、まず、研究1「国際的な指標と先行研究の検討」に関わり、本研究のメンバーが中核となり、日本社会教育学会のプロジェクト研究を推進し、SDGsと社会教育・生涯学習の関係性の把握を中心に研究を進めた。これらの議論の中で、以下の3つの視点が見出された。第1に、従来の社会教育実践をSDG4の観点から捉え直す必要があることを確認した。第2に、SDGsの各目標に対して主体形成を促進していく実践のあり方を問う視点である。ここでは、各目標に対して主体形成を促進する働きかけが重要になることを明らかにした。第3に複数の目標を総合化してSDを達成していく実践のあり方やしくみを問う視点であり、この視点は、SDGsの先の社会を問うことにつながる。
研究2「先進事例の調査」については、計画に挙げたSDGsに先進的に取り組む札幌・板橋・岡山・那覇という4つの地域に加え、高等教育機関が進めるネットワーキングの動きとして、神戸のRCEの追加調査を行った。この上で、各事例の聞き取り内容に基づき、①SDGsに関わる地域特性・社会教育・市民活動の状況、②ESDからSDGsに至る取り組みの特徴、③取り組みの理念と目的、④取り組みの成果と課題といった点を中心にケースレポートを作成した。
さらに研究3「調査結果の分析とモデル提示(持続可能な地域形成のための教育要素の抽出)」については、上記のケースレポートを俯瞰し、論点の抽出を進めた。具体的には、①SDGsが政策や教育実践に与えるインパクト、②市民を巻き込み参画を促す手法、③対話を通じた相互変容の過程、④連携・協働を強化する基盤(プラットフォーム)の特性、⑤上記の①から④の上に形成されるSDGsに関わる地域の社会関係資本、といった重要な教育要素が見えてきた。最終年度は、これらの要素を反映し、各地域のSDGsに関わる実践を評価する方法を具体化する。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K02497/
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K02497
ID情報
  • 課題番号 : 19K02497
  • 体系的課題番号 : JP19K02497

この研究課題の成果一覧

論文

  7

MISC

  4

書籍等出版物

  2
  • 日本社会教育学会, 田中治彦, 近藤牧子, 鈴木敏正, 秦範子, 松岡広路, 荻野亮吾, 孫美幸, 二ノ宮リムさち, 後藤聡美, 赤尾勝己, 小栗有子, 森由香, 上條直美, 三宅隆史, 小泉雅弘, 長岡智寿子, 宋美蘭, 大安喜一 (担当:分担執筆, 範囲:地域のプラットフォーム組織化過程におけるSDGs の実践の構造化に関する比較事例分析)
    東洋館出版社 2023年10月30日 (ISBN: 4491053219)
  • 岩本泰, 小野行雄, 風巻浩, 山西優二 (担当:共編者(共編著者), 範囲:環境と持続可能性の本質を問う学び・おわりに)
    明石書店 2021年12月25日 (ISBN: 9784750353098)

講演・口頭発表等

  6

学術貢献活動

  2

社会貢献活動

  6