2014年12月20日
招待講演 「当事者間の了解」に関する無限後退の問題について (思考と言語)
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報
- 巻
- 114
- 号
- 385
- 開始ページ
- 25
- 終了ページ
- 30
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 一般社団法人電子情報通信学会
コミュニケーションや言語はしばしば,当事者間の心理的なインタラクションを前提とする.この心理的なインタラクションには当該状況や語られる内容についての当事者間の了解が必要である.しかしながら,当事者間の了解は厳密には検証できない.というのは当事者間の了解を厳密に確認しようとすると無限後退に陥ってしまうからである.では当事者はいかにして「当事者間の了解」信念に至るのだろうか?日本語の記述的研究をもとに,本講演は「当事者間の了解」信念が論理的な推論によるものではなく直感的な感知によるものであると主張する.日本語では,或る知識が当事者間で相互的に了解されているか否かに関して,どちらともつかないグレーゾーンの信念を当事者が持つことがあり,その場合,了解の成否は話し手が発話に込める態度やキャラ次第で変わる.このような可能性は論理的な推論では許されないだろう.
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110009977829
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10449078
- URL
- http://id.ndl.go.jp/bib/026027673
- ID情報
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- ISSN : 0913-5685
- CiNii Articles ID : 110009977829
- CiNii Books ID : AN10449078