2018年9月
自然消失した膀胱炎症性偽腫瘍の1例
西日本泌尿器科
- 巻
- 80
- 号
- 9
- 開始ページ
- 465
- 終了ページ
- 468
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 西日本泌尿器科学会
症例は65歳、女性。繰り返す膀胱炎様症状で前医を受診。膀胱鏡検査で膀胱後壁に腫瘤性病変を認めた。尿細胞診は陰性、CT、MRIでは炎症波及による2次性膀胱腫瘤の可能性を指摘され、経尿道的膀胱腫瘍生検を行うも病理結果では悪性所見なく炎症性変化との診断であった。症状の改善なく本年2月に当院紹介受診となった。各種自己免疫疾患の検査はいずれも陰性であった。CT、MRIを再検したがやはり炎症性腫瘤を疑われ、再度経尿道的膀胱腫瘍生検を試みた。膀胱内を観察すると腫瘤性病変は消退しており前回生検時の瘢痕を残すのみであった。瘢痕部位を再度生検し病理検査に提出したが結果は炎症所見のみで悪性所見は認めず炎症性偽腫瘍と診断した。生検後は大幅な症状の改善を認め、さらなる侵襲的な検査は行わず、経過観察とした。術後15ヵ月現在、症状の再燃を認めていない。(著者抄録)
- ID情報
-
- ISSN : 0029-0726
- 医中誌Web ID : S926230003
- J-Global ID : 201802213650682545