2021年6月
腎門部に発生した粘液嚢胞腺癌の1例
西日本泌尿器科
- 巻
- 83
- 号
- 1
- 開始ページ
- 14
- 終了ページ
- 14
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 西日本泌尿器科学会
症例は79歳,男性。2年前に検診にて左腎嚢胞と診断され近医で経過観察となっていたが,増大傾向であったため当科紹介となった。造影CT検査でBosniak分類category IVの左嚢胞性腎癌を疑い,腹腔鏡下左腎摘除術を施行した。術後病理結果から,粘液嚢胞腺癌(Mucinous cystadenocarcinoma)と診断した。術後補助化学療法は行わずに経過観察としていたが,術後3ヵ月後に多発肺転移が出現し,化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)を開始した。5コース投与後の肺転移はSDであったため,一旦化学療法中止で経過観察の方針としたが,5ヵ月後に肺転移は増大傾向を認めたため術後14ヵ月目よりニボルマブの投与を開始した。ニボルマブ2コース投与後のCTで肺転移は縮小し,5コース投与後もPRを維持しているため現在も投与継続中である。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0029-0726
- 医中誌Web ID : 2021290060