共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

地域的に顕現する社会的排除の動態的把握―大阪府・国勢調査データの独自集計を中心に

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K04174
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

本研究は、貧困・社会的排除が地域的に集積している実態の把握、そしてそれらが地域で顕在化するメカニズムを都市圏の地域構造変動に位置づけながら、さらに独立変数としての地域効果も考慮に入れつつ把握することを目指している。
本年度は、1980~2010年の30年間、7回分の国勢調査データ(大阪府)のうち、直近の大規模調査年(1980年、1990年、 2000年、2010年)、とりわけ2010年、大阪市域について、被差別部落卓越地域に該当する地区の詳細な集計・分析を進めた。また、「排除指標」が高指標値を示す公営住宅比率の高いエリア(公営住宅特性卓越地域)について、大阪市内から3地区選定し、住民基本台帳によるサンプリングを経て訪問面接調査を実施するなど、大阪府下の合計6地区でケーススタディを実施した。
また、貧困・社会的排除を地域的に顕現させる構造的背景として、脱工業化やグローバリゼーションといったマクロな社会変動、雇用政策や経済政策、社会政策などを受けて展開される都市圏の地域構造変動がある。こうした変動を把握するために、大阪府を含むより広い地理的範囲として京阪神大都市圏の変動の把握を試みた。
本年度までに進めてきた、大阪府域の国勢調査データの集計・分析、同データから析出された地区類型から選定した地区の詳細分析、より広域の京阪神大都市圏の国勢調査データ等の集計・分析、6地点のケーススタディ、これらそれぞれに進めてきた成果を統合していく作業が必要である。

ID情報
  • 課題番号 : 17K04174