共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2024年3月

機械学習を用いた景気予測の迅速化・精緻化

日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K18584
体系的課題番号
JP21K18584
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

一国の経済変動は多くの経済主体(政府、企業、家計、諸外国等)による集団現象である上に、決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それが定量的な決定論的モデリングを困難にさせてきた。高周波の振る舞いは主に確率的なものであり、低周波の振る舞いは主に構造変化等によるものである。中周波の振る舞いはマクロ的な振る舞いを示す決定論的なものが主であり、再帰性の高いダイナミクスを示していると期待できる。本研究では、中周波の振る舞いに着目した機械学習をおこない、これまで存在しなかった定量的な決定論的経済変動モデルの構築を目指している。本研究は機械学習を用いたデータ駆動型モデリング手法を経済データに適用することにより、集計結果が得られるまでに長い時間を要する景気指標を、迅速かつ精緻に推測することを目的とする。こうした知見の蓄積は政府の景気対策の有効性向上などを通して経済安定と経済発展に貢献することが期待される。経済変動に関する定量的な時間発展モデルの構築とそれを用いた将来予測をおこなう。
そのために,一国の経済変動に含まれる決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それらの分離が鍵となる。2021年度は、経済変動に見られる中周波の振る舞いから決定論的構造を見出すことを試みた。特に、日本の地域別景気指標である都道府県別鉱工業生産指数ならびにアメリカ合衆国の地域別景気指標である州別CIの月次時系列データ解析に取り組み、地域別景気指標の時系列をヒルベルト変換することで複素化し、時々刻々の位相を定義することによって同期レベルの推移を明らかにした。そして、その同期レベルの大小が景気の上昇下降と関係することを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K18584
ID情報
  • 課題番号 : 21K18584
  • 体系的課題番号 : JP21K18584