2020年 - 2022年
分子構造からみた時間-温度換算則の妥当性とMD解析による長期寿命予測法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
リュブリャナ大学(スロベニア)において、分子量の異なるポリエチレンを対象として、熱物性を調べるための示差走査熱量測定および、粘弾性特性を明らかにするための動的粘弾性試験による低温から高温までの特性評価を行った。分子量と結晶化度の調整が難しく、結晶化度が同じで分子量が異なる試料の作製が困難であることが明らかとなった。
チャルマース工科大学(スウェーデン)においては、リュブリャナ大学で得られた動的粘弾性試験結果をもとに、時間-温度換算則の適用を試みた。その結果、すべての材料において時間-温度換算則が適用でき、さらに時間-温度換算則適用の際に得られるシフトファクターは、分子量に依らず一定となることが明らかとなった。また、原子間力顕微鏡を用いてナノサイズのインデンテーション試験を行う予定だったが、事情により困難となり、ナノインデンテーション試験を行った。その結果、分子動力学シミュレーション(MD解析)によるナノインデンテーション解析のサイズの10倍程度の圧痕を打つことができたが、MD解析結果と比較するためには大きすぎるため、様々な押し込み荷重における実験を行い、より小さい圧痕の条件を予測できるようにした。
MD解析においては、ポリエチレンを対象としてクリープ解析を行い、さらに時間-温度換算則の適用を試みたところ、いかなる温度条件・分子量条件においても時間-温度換算則が適用できることが明らかとなった。またその時のポテンシャルエネルギーの推移から、ポテンシャルエネルギーについても時間-温度換算則が適用可能であることが明らかとなり、その時に得られる活性化エネルギーの評価によって、特定のポテンシャルエネルギーが時間-温度換算則に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。
チャルマース工科大学(スウェーデン)においては、リュブリャナ大学で得られた動的粘弾性試験結果をもとに、時間-温度換算則の適用を試みた。その結果、すべての材料において時間-温度換算則が適用でき、さらに時間-温度換算則適用の際に得られるシフトファクターは、分子量に依らず一定となることが明らかとなった。また、原子間力顕微鏡を用いてナノサイズのインデンテーション試験を行う予定だったが、事情により困難となり、ナノインデンテーション試験を行った。その結果、分子動力学シミュレーション(MD解析)によるナノインデンテーション解析のサイズの10倍程度の圧痕を打つことができたが、MD解析結果と比較するためには大きすぎるため、様々な押し込み荷重における実験を行い、より小さい圧痕の条件を予測できるようにした。
MD解析においては、ポリエチレンを対象としてクリープ解析を行い、さらに時間-温度換算則の適用を試みたところ、いかなる温度条件・分子量条件においても時間-温度換算則が適用できることが明らかとなった。またその時のポテンシャルエネルギーの推移から、ポテンシャルエネルギーについても時間-温度換算則が適用可能であることが明らかとなり、その時に得られる活性化エネルギーの評価によって、特定のポテンシャルエネルギーが時間-温度換算則に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。
- ID情報
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- 課題番号 : 19KK0363
- 体系的課題番号 : JP19KK0363
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Mechanics of Time-Dependent Materials 2023年9月 査読有り最終著者責任著者