基本情報

所属
奈良女子大学 生活環境学部 住環境学科 専任講師
(兼任)古代学・聖地学研究センター センター員
学位
博士(工学)(2018年3月 東京大学)

researchmap会員ID
B000350189

外部リンク

 日本の古建築は美しく作られてきました。世界から日本に多数の訪問者が訪れることがそれを証明しています。どうしてそのように美しい建築を作れたのだろうか、どのような技術を使っていて、どのような思想文化史があるのか、というのが大きな研究テーマです。

 博士論文としては、江戸期の民家の意匠について研究を行い、広間(Living Room)の豪壮な太い部材を見せる豪壮な意匠と、座敷(Guest Room)の細い部材だけを見せる軽快な意匠を、意図的に作り出していることを明らかにしました。後者の細い部材を使う座敷の方が広間より格が高いのですが、疑問が生まれました。ミニマルな建築文化は、どのような歴史をたどるのだろうかという学問的な問いです。普通は太い部材の方がお金がかかるはずで、実際、寺院などでは太い梁や建築自体の巨大さを誇るシンボリズムが顕著で、既往の研究ではこちらに着目する研究が多いです。

 一方、ミニマルな建築は茶室研究が代表例で茶に呪縛される傾向が強いですが、日本では古代からミニマルな建築をよしとする文化が醸成されてきました。中国の白楽天などの隠者文化を起源とし、それが日本に伝わり、鴨長明の方丈庵で3m角の小さな建物の中で、建物は小さいが、周囲の美しい自然を取り込んだ真に豊かな生活ができると唱えた文章を残しています。その隠者文化は、中世の禅寺に、近世には貴族や大名の庭園や亭、近代では財界人の山荘などに受け継がれてきました。そのような隠者文化の中には、山里での農民のような暮らしを理想とする隠者の思想は、古代から戦前まで住宅、庭園、美術の理想の一つとなって連綿と受け継がれてきました。その文化がイギリスなどヨーロッパにも派生し、装飾隠者などの文化が生まれ、世界規模に広がっていることが分かり始めています。

 以上のような関心の中で、最近では、庭の中の亭(現代では東屋と呼ぶ)に着目した研究を行っています。亭は、建築史では茶室の一種だと誤解され、庭園史では植栽などへの関心によりあまり研究がなく、美術史では水墨画によく描かれることから若干の研究があります。亭は3m角程度の隠者の標準サイズの建築であることが多く、ミニマルですが、当時の文献を紐解くと、壮大な思想が込められたことが分かります。禅の思想、大名の質素倹約の思想、茶人のわびさびなど、様々な思想を背負った建築だったことが分かり始めており、現在は亭の研究を、日本建築史にとどまらず、庭園史、美術史の分野を横断しながら、さらに世界のミニマルな建築文化にも目を向け、研究を進めています。

 


研究キーワード

  5

主要な学歴

  3

主要な委員歴

  4

主要な論文

  28

主要なMISC

  9

主要な書籍等出版物

  7

主要な講演・口頭発表等

  10

主要なWorks(作品等)

  10

共同研究・競争的資金等の研究課題

  4

社会貢献活動

  1