2019年6月 - 2021年3月
視覚障害者のためのマルチタスク処理を実現する支援技術の創出
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
本研究では,これまでの視覚障害者との情報共有に使われる基本メディアとなっている音声や点字のような一次元ベースの情報獲得支援方法の枠組みを超えて,マルチタスク処理作業を可能とする情報獲得支援の方法の創出を目指している.
本年度の研究では,主に,「スクリーンリーダー使用時における作業効率への影響」に焦点をあて,特に,作業効率を阻害している要因を明らかにすることにした.
まず,視覚を使用せずスクリーンリーダーでパソコン操作を行う全盲または弱視者,スクリーンリーダーを補助的に使用あるいは使用しない弱視者,晴眼者を対象に,作業遂行の方法を記録するとともに,作業成績を測定を行った.次に,並行的な要素を含むパソコン上の作業について,スクリーンリーダーを使用した視覚障害者と晴眼者の作業成績および全キー押下状況を細かく分析した.その結果,スクリーンリーダーユーザーのキー押下数は晴眼者の5倍,所要時間は4.4倍であり,スクリーンリーダーの操作で使用する矢印キーとウインドウ切替えのためのAlt+Tabキーの使用頻度が極めて高いことがその要因であることが分かった.特に,Alt+Tabキーを使用するウインドウの切替え操作は,音声で獲得した情報の記憶の保持中に割り込むため,記憶の保持を妨害している可能性があり,ユーザーが確認や聞き直しのためにウインドウ間の移動を繰り返せば,そのこと自体がまた記憶を妨害する悪循環ともなっていることも判明した.
本年度の研究では,主に,「スクリーンリーダー使用時における作業効率への影響」に焦点をあて,特に,作業効率を阻害している要因を明らかにすることにした.
まず,視覚を使用せずスクリーンリーダーでパソコン操作を行う全盲または弱視者,スクリーンリーダーを補助的に使用あるいは使用しない弱視者,晴眼者を対象に,作業遂行の方法を記録するとともに,作業成績を測定を行った.次に,並行的な要素を含むパソコン上の作業について,スクリーンリーダーを使用した視覚障害者と晴眼者の作業成績および全キー押下状況を細かく分析した.その結果,スクリーンリーダーユーザーのキー押下数は晴眼者の5倍,所要時間は4.4倍であり,スクリーンリーダーの操作で使用する矢印キーとウインドウ切替えのためのAlt+Tabキーの使用頻度が極めて高いことがその要因であることが分かった.特に,Alt+Tabキーを使用するウインドウの切替え操作は,音声で獲得した情報の記憶の保持中に割り込むため,記憶の保持を妨害している可能性があり,ユーザーが確認や聞き直しのためにウインドウ間の移動を繰り返せば,そのこと自体がまた記憶を妨害する悪循環ともなっていることも判明した.
- ID情報
-
- 課題番号 : 19K21744
この研究課題の成果一覧
絞り込み
受賞
1-
2021年12月
論文
3-
Journal on Technology & Persons with Disabilities Volume 9 9 85-109 2021年4月 査読有り最終著者
-
Future Perspectives of AT, eAccessibility and eInclusion 1 23-27 2020年9月 査読有り最終著者
-
Future Perspectives of AT, eAccessibility and eInclusion 1 171-176 2020年9月 査読有り筆頭著者
MISC
2-
日本音響学会誌 77(3) 199-207 2021年3月 招待有り筆頭著者
-
電気学会研究会資料. PI = The papers of Technical Meeting on "Perception Information", IEE Japan, 2020(49) 13-15 2020年10月9日
講演・口頭発表等
1-
第30回フロンティア講演会予稿集 2021年3月9日