共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年6月 - 2021年3月

視覚障害者のためのマルチタスク処理を実現する支援技術の創出

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
19K21744
配分額
(総額)
6,370,000円
(直接経費)
4,900,000円
(間接経費)
1,470,000円

本研究では,これまでの視覚障害者との情報共有に使われる基本メディアとなっている音声や点字のような一次元ベースの情報獲得支援方法の枠組みを超えて,マルチタスク処理作業を可能とする情報獲得支援の方法の創出を目指している.
本年度の研究では,主に,「スクリーンリーダー使用時における作業効率への影響」に焦点をあて,特に,作業効率を阻害している要因を明らかにすることにした.
まず,視覚を使用せずスクリーンリーダーでパソコン操作を行う全盲または弱視者,スクリーンリーダーを補助的に使用あるいは使用しない弱視者,晴眼者を対象に,作業遂行の方法を記録するとともに,作業成績を測定を行った.次に,並行的な要素を含むパソコン上の作業について,スクリーンリーダーを使用した視覚障害者と晴眼者の作業成績および全キー押下状況を細かく分析した.その結果,スクリーンリーダーユーザーのキー押下数は晴眼者の5倍,所要時間は4.4倍であり,スクリーンリーダーの操作で使用する矢印キーとウインドウ切替えのためのAlt+Tabキーの使用頻度が極めて高いことがその要因であることが分かった.特に,Alt+Tabキーを使用するウインドウの切替え操作は,音声で獲得した情報の記憶の保持中に割り込むため,記憶の保持を妨害している可能性があり,ユーザーが確認や聞き直しのためにウインドウ間の移動を繰り返せば,そのこと自体がまた記憶を妨害する悪循環ともなっていることも判明した.

ID情報
  • 課題番号 : 19K21744

この研究課題の成果一覧

受賞

  1

論文

  3

MISC

  2

講演・口頭発表等

  1