2018年5月
回転円筒型液液抽出装置における流動状態におよぼす操作条件の影響
化学工学論文集
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- 巻
- 44
- 号
- 3
- 開始ページ
- 135
- 終了ページ
- 141
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1252/kakoronbunshu.44.135
原子力分野の使用済核燃料再処理プロセスでは回転円筒型液液抽出装置の利用が注目されているが、抽出効率に大きく関連する装置内の流動状態に対する操作条件の影響については十分な検討が行われていない。本研究では、主要な操作因子であるロータ回転数や溶液の供給流量が異なる条件を対象に、混合部の流動状態の観察、ならびにParticle Image Velocimetryによる流速分布測定を行った。ロータ回転数や溶液の供給流量が変化した場合に、装置内の混合部の流動状態が、(a)混合部底面からロータ下部までが液体で満たされロータの回転の影響が流速分布に強く影響する状態(流動状態A)、(b)混合部下部における液の存在領域が、槽底の固定羽根近傍とロータ下部近傍に鉛直方向に大きく2つに分断される状態(流動状態B)、(c)これら2つの状態の過渡的な状態(遷移状態)の3種類の状態に分類されることを明らかにした。8枚の固定羽根が槽底に放射状に取り付けられた混合部では、2枚の固定羽根と槽壁に囲まれた各領域内で、槽壁近傍ではロータの回転方向に沿った流れが形成され、下流側の固定羽根に沿って曲げられ槽底中心部に流れ込むフローパターンであることがわかった。流動状態Aでは、混合部内の水平断面内の流速分布はロータ回転数に対しておおよそ比例するが、流動状態Bでは流動状態Aより流速が遅く、ロータ回転数には比例しないことがわかった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1252/kakoronbunshu.44.135
- ISSN : 0386-216X