共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年10月 - 2023年3月

次世代高輝度重イオン衝突実験がもたらすストレンジネス核物理の新展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
19KK0077
体系的課題番号
JP19KK0077
配分額
(総額)
18,330,000円
(直接経費)
14,100,000円
(間接経費)
4,230,000円

本研究ではLHC-ALICE国際共同実験を舞台にその高度化を完成させ、これまで統計不足に泣かされてきたダイバリオン探索、ハイペロン-核子相関、ハイペロン-ハイペロン相関、深束縛K中間子原子核やK中間子陽子凝縮物質の探索といった、ストレンジネスを用いた原子核物理を新たに展開しつつ、同時にFAIR-CBMやJ-PARC重イオン計画へ向けた国際共同研究の基盤を構築する。
2019年度は本研究における最初の目標であるALICE実験の高度化に着手した。研究代表者の大山は、ALICEの主要荷電粒子飛跡測定装置(TPC)の高度化において重要となる、FPGAを用いた超高帯域データ即時処理システムの開発を行った。フランクフルト大学、ハイデルベルグ大学の研究者と共同で、FPGAに搭載するデジタル・フィルタの開発・評価を推進した。2020年1月には、分担研究者の関畑がCERNに赴き、TPCの検出器構築作業、及びこれを用いた宇宙線ミューオンを使ったデータ収集による検出器のテスト及びパフォーマンス評価を行った。さらに、TPC高度化の一環として、空間電荷によるドリフト電子軌道の機械学習を用いた高速歪み補正に関して、ALICEのデータ処理グループの人々と議論し、研究を進めた。分担研究者の郡司は、ラン・コーディネータとしてCERNに滞在し、2021年開始予定のビームデータ収集の準備を進めた。また、フランクフルト大学の海外共同研究者らと議論を重ね、学生と共にダイバリオン探索に関する解析に着手した。分担研究者の佐甲は、J-PARC重イオン実験計画の実現に向けた準備を進めた。分担研究者の権業は、ダイバリオン検出の可能性について理論的考察を進めた。
研究協力者の浜垣は、国際会議および国内会議で発表し、同物理に関するこれまでと今後の可能性に関して議論を行った。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19KK0077
ID情報
  • 課題番号 : 19KK0077
  • 体系的課題番号 : JP19KK0077