2021年4月 - 2024年3月
「女たち」が織りなす人的ネットワーク:タイ君主制の権威興隆と側室・女官の役割
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究は、前タイ国王プーミポン(在位1946~2016年)の絶大な権威を支えた「人的ネットワーク」の実態を、前国王の祖母であるサンワーンワッタナーをはじめとする側室らとその女官に焦点をあて、彼女らの姻戚・交友関係から解明するものである。
当該年度は、ラーマ5世の側室と女官らに関し、一覧化と基本情報の整理を行うことを最優先課題として行った。新型コロナウイルスの影響で、自らがタイで資料調査することは困難であったが、京都大学東南アジア研究所やアジア経済研究所、国会図書館、東京大学アジア研究図書館等に所蔵されている資料の調査を行い、関係者の葬式本を収集し、それを基に人物相関図の作成を行った。これを分析する際には、90名を超えるラーマ5世の側室について、宮中に残ったもの(側室として)、宮中に残って女官になったもの、実家などの親族を頼って宮中外に出て居住地を確保したもの、などに分類して調査を行った。
ここから、宮中外に居住地を確保した者については、その地元で名士的な役割を果たしたものも多いことがわかり、今後はさらに彼女らの動向を詳しく調査することとした。また、宮中に残って女官になったものの中には、プーミポン国王らにかなり近しい存在となった者も含まれるため、彼女らについてもその閨閥や交友関係について調査を進めている。
これらの研究成果の一部は、8月にオンラインで行われたICAS12(The 12th International Convention of Asia Scholars)等で報告した他、現在執筆中の単著などで発表予定である。
当該年度は、ラーマ5世の側室と女官らに関し、一覧化と基本情報の整理を行うことを最優先課題として行った。新型コロナウイルスの影響で、自らがタイで資料調査することは困難であったが、京都大学東南アジア研究所やアジア経済研究所、国会図書館、東京大学アジア研究図書館等に所蔵されている資料の調査を行い、関係者の葬式本を収集し、それを基に人物相関図の作成を行った。これを分析する際には、90名を超えるラーマ5世の側室について、宮中に残ったもの(側室として)、宮中に残って女官になったもの、実家などの親族を頼って宮中外に出て居住地を確保したもの、などに分類して調査を行った。
ここから、宮中外に居住地を確保した者については、その地元で名士的な役割を果たしたものも多いことがわかり、今後はさらに彼女らの動向を詳しく調査することとした。また、宮中に残って女官になったものの中には、プーミポン国王らにかなり近しい存在となった者も含まれるため、彼女らについてもその閨閥や交友関係について調査を進めている。
これらの研究成果の一部は、8月にオンラインで行われたICAS12(The 12th International Convention of Asia Scholars)等で報告した他、現在執筆中の単著などで発表予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K17958
- 体系的番号 : JP21K17958