MISC

2011年12月

重症感染を伴う褥瘡症例の検討

国立病院機構長崎医療センター医学雑誌
  • 藤岡 正樹
  • ,
  • 村上 千佳子
  • ,
  • 増田 佳奈
  • ,
  • 土居 華子

13
1
開始ページ
30
終了ページ
36
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
国立病院機構長崎医療センター

[目的]褥瘡患者はそもそも全身状態が不良である場合が多く、創感染を伴うと急速に増悪し、しばしば敗血症に至る。褥瘡感染から強い炎症を呈した症例について検討を加えた。[方法]2005年4月からの4年間で褥瘡に重症感染を伴い全身に強い炎症反応を呈した16例について、栄養状態、起因菌、治療に対する反応と予後を調査した。[結果]発生部位は仙骨部8例、坐骨部6例であり、自宅での褥瘡感染増悪が11例と多くを占めていた。感染時の血清総タンパク、血清アルブミン、ヘモグロビン値はいずれも低く低栄養状態であった。経過中に死亡したもの2例であった。全例初診時直ちにデブリードマンを施行し、炎症が鎮静化するまでの期間は平均37.7日、平均39.3日で創閉鎖手術を施行した。起因菌はMRSAが7例と最も多かった。[考察]褥瘡発生患者が重症の創感染症を合併した場合、容易に敗血症に陥る。治療は創感染症に対する処置に尽きるが、集約的治療を施し早急なデブリードマンを施行することで多くの症例を救命し得た。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1880-330X
  • 医中誌Web ID : 2012167077

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