共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

テノホビル(TDF)に対する新規耐性HBVの同定と耐性メカニズムの解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K16996
体系的課題番号
JP20K16996
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

B型肝炎ウイルス(HBV)の推奨治療薬である核酸アナログ(NAs)はHBVのDNA複製を抑制するが、長期投薬においてNAs耐性HBV株の出現による治療不応が問題視されている。研究代表者は、現在臨床で推奨されるテノホビル(TDF)に対して抵抗性を示す複数のB型慢性肝炎(CHB)症例より新規の変異パターンを検出し、これらの変異がTDF耐性に与える影響を検証した。
1) TDF治療不応例より樹立したHBV発現プラスミド(TDFr original)に対して、TDF不応症例で認められた変異パターンを組み込み(TDFr-1)、ウイルス学的特徴づけおよびTDF感受性を評価した。2) 全国多施設病院で多剤不応を呈したB型慢性肝炎患者34例を対象としウイルス学的解析を行った。
1)で樹立した新規HBV発現プラスミドをHuh7細胞へトランスフェクションし、細胞内ウイルス複製量をサザンブロット法により評価した。コントロールとして、当室で樹立したHBVDNA genome(AB246345)、既知ADV耐性1株(A181T/N236T)およびETV耐性2株(S202G/L180M/M204V)、(A186T/L180M/M204V)を用いた。その結果、AB246345と比較して、細胞内ウイルス複製量はTDFr original株:53.1%、TDFr-1株:26.7%とHBV複製効率が減弱することが示された。TDF感受性を比較検討した結果、TDFr original株およびTDFr-1株は、既知ADV耐性1株およびETV耐性2株よりもTDF感受性の低下を呈した。
2) LAM+ETV不応症例23例、LAM or ETV+ADV不応3例、ETV+TDF or TAF(±ADV)不応8例を対象にHBV解析をした結果、既知変異保有25例のうち20例で新規RT変異が検出された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K16996
ID情報
  • 課題番号 : 20K16996
  • 体系的課題番号 : JP20K16996