2017年4月 - 2020年3月
細胞膜透過能を有する合成核酸の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、細胞膜透過能を有する合成核酸の開発を目指すものである。すなわち、核酸分子自体に細胞膜透過性を有機化学的に付与し、細胞内導入を劇的に簡便にする。細胞膜透過後、適切なトリガー(細胞内環境)によって保護基が除去され活性を示す合成核酸の創製を目指している。本年度は、昨年度に見出した保護基をモデル核酸医薬のプロドラッグ化へ応用した。得られたモデル分子の細胞内部での機能を検討した。細胞内への導入は、合成核酸を細胞へ直接添加する方法と導入剤(トランスフェクション試薬)を用いる一般的な方法を用いた。遺伝子の発現抑制を指標に、細胞内でどの程度機能しているかを評価した。導入剤を用いた場合、プロドラッグ型核酸は、親化合物(保護基が脱保護されている)と比較して高い活性が観測された。保護基の導入により細胞内での安定性が向上したためと推測している。直接添加の場合では、導入剤を使用した場合と比較してやや活性が低下した。親化合物と比較すると、より高い活性が観測された。これらの結果より、保護基を結合した効果を確認することができた。今後は、インキュベート時間、保護基の導入数や導入位置を最適化し、直接添加で機能する合成核酸を目指していきたい。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K01966
- 体系的番号 : JP17K01966