論文

査読有り
2018年9月20日

装置サイズが異なる回転円筒型液液抽出装置の混合部における流動状態

化学工学論文集
  • Yuichi Sano

44
5
開始ページ
285
終了ページ
291
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1252/kakoronbunshu.44.285

原子力分野の使用済核燃料再処理プロセスでは回転円筒型液液抽出装置の利用が注目されているが、抽出効率に大きく関連する装置内の流動状態に対する装置サイズの影響については十分な検討が行われていない。同装置は、円筒ロータ槽底近傍の固定羽根で撹拌される混合部と、ロータ内の分離部で構成される。本研究では、純水だけを用いたモデル実験により、装置サイズが異なる2つの遠心抽出器の混合部のビデオ撮影により流動状態と操作条件・装置サイズとの関係を整理し、混合部の流速分布をParticle Image Velocimetryにより計測し、操作条件との関係を整理した。その結果いずれの装置サイズにおいても、混合部の流動状態は、槽底からロータ下部までが液で満たされる流動状態A、液の存在領域が槽底近傍とロータ下部近傍に鉛直方向にわかれる流動状態B、その中間となる遷移状態に分類されることがわかった。ロータ回転数が遅く、供給流量が多いときに状態Aとなる傾向があり、装置サイズにかかわらず状態Aから遷移状態へ変化する操作条件は、装置サイズで正規化した供給流量とロータ内の気液界面形状にもとづいて推算したロータの液排出能力の関係で整理できることがわかった。さらに、混合部が液で充満される流動状態Aにおいては、液流速の大きさは装置サイズにかかわらずロータの回転周速度におおよそ比例することがわかった。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1252/kakoronbunshu.44.285
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5060948
ID情報
  • DOI : 10.1252/kakoronbunshu.44.285
  • ISSN : 1349-9203
  • ISSN : 0386-216X
  • ORCIDのPut Code : 137184171
  • SCOPUS ID : 85053709663

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