2020年3月
観測量などの評価
放射線遮蔽ハンドブック; 応用編
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- 74
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
日本原子力学会では放射線遮蔽に携わる国内の研究者・技術者に対する指針として、「放射線遮蔽ハンドブック-応用編-」を取りまとめた。本稿はその中の「観測量などの評価」について論じる。遮蔽計算においては、線源から生じる多数の放射線が評価点にもたらす線量や発熱など、多数の放射線による平均の量が重要とされている。しかし、放射線の挙動を表す量は、基本的に平均と分散の両方を定義することができ、放射線検出器の応答、中性子照射による材料損傷評価などでは、分散を示す量が重要な役割を果たす。核反応断面積データライブラリは、放射線輸送計算において分散の情報を必ずしも持たない。そのため、放射線挙動解析のうち分散を示す量が必要とされる場合、放射線輸送計算コードPHITSのイベントジェネレータモードのように、分散の情報を復元するアルゴリズムが必要になる。本稿では、放射線挙動に関する分散の意義、イベントジェネレータモードが分散を計算する原理やその計算例を示し、分散が観測量等の評価に与える影響を解説する。