2016年9月
壁なし型組織等価比例計数管を用いたイオンビームに対する線エネルギー付与分布測定
JAEA-Review 2015-022, JAEA Takasaki Annual Report 2014
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- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11484/jaea-review-2015-022
イオンビームに対する生物学的効果を評価する上で、生体中でのイオンビームの飛跡およびその近傍における詳細なエネルギー付与分布は重要なデータである。本研究では、PHITSに組み込まれている最新の生物学的線量評価モデルのエネルギー付与分布計算の精度検証を行うため、高崎量子応用研究所TIARAで 壁なし型組織等価比例計数管にペンシル状のビームを照射し、径方向の線エネルギー($y$)分布データおよび$y$の線量平均値($\overline{y}$$_{D}$)を取得した。その結果、PHITSによる計算結果は測定した$y$分布をよく再現することがわかった。また30MeV陽子は、陽子より重いイオンの場合と異なり、ビーム軸上で$\overline{y}$$_{D}$値は最小となり、ビーム軸に対する垂直面の径方向の距離とともに緩やかに増加した。これは陽子ビームと二次的に生成されるデルタ線の阻止能がほぼ等しいことに起因するためであり、約30MeV以上の陽子ビームでは飛跡構造がほぼ一様であることを実験的に示した。
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- DOI : 10.11484/jaea-review-2015-022